旅のはなしが多くて、旅をしているような気分になる本。 (旅行って感じじゃない。旅って感じ。)
田舎の温泉をまわっているような気持ちになり、旅の予定もない今年はなんとなく谷内六郎の本も読んでみたいな、という気分になった。
「李さん一家」って割合有名なおはなしかと思うのだけど、なにか先日舞台「キレイ」をみたばかりの松尾スズキの世界に合い通じるものを感じた。
「近所の風景」という多摩川あたりの集落のはなしに梶井基次郎の「檸檬」のはなしがでてくるのだけど、「檸檬」って高校のとき教科書で読んで、京都が出てくるので、「あそこが檸檬にでてくる果物屋」みたいな知識はあるのだけど、うらぶれたものへのこんな愛情を描いたものだったんだ。。しかもなんだか屈折していた梶井基次郎の内側をすごく表現していたものだったんだ。。とすごくすごく新鮮な気持ちになった。
昔教科書で出会って一件落着と思っていた本もきっと今読んだら自分の今をすごくあらわしていてびっくりするもの多いだろうな。。と、 最近古典の現代解釈的手引きがものすごく好きなもので思ってしまった。
- 作者: つげ義春
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: 文庫
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