父と暮らせば

セロさんにすすめられてみる。

宮沢りえさんの最近の女優としてのすばらしさはいうまでもないけれど、原田芳雄氏のこんなすてきな父親役は珍しいしすばらしいし、浅野忠信氏もよくキャスティングされるちょっとクセのあるタイプでなく、静かに日常をきっちり生きている感じの役柄で、そういうのを演じている浅野氏は「青春デンデケデケデケ」でも思ったのだけどとってもいいと思います。

パンフレットの中の佐藤忠男氏の文章には同じ監督の「TOMORROW/明日」という映画が、長崎の原爆投下の前日の人々の普通の日常を描くことによって訴えているものについて書かれているのだけど、わたしもこの映画の中の日常の描写ー心をこめたおいしそうな食事や、生活を大切にしていくちょっとした動作、家族への心配りなどーにとっても惹かれるものを感じた。

わたしは1950年代の日本映画のたたずまいや雰囲気が大好きなのですが、その時代の映画をみているときのような見る価値のある美しいものと時間を共有している幸せを味わえる映画だった。

父と暮せば 通常版 [DVD]

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★この記事を関西どっとこむにのせていた時、セロさんがつけてくださったコメント

ぽんさん、観て頂けたのですね。

私は大人になってから、「あんたが生まれた時に
原爆で若くして亡くなった大叔母の
生まれ変わりじゃないじゃろうかと言われとったんよ」
と聞き、遠い昔のことだと思っていたことが
実は自分に深く関っていた事だったんだと、
ずっと考えていました。

また、私は長いこと片思いをしていて、
なんだかつい、美津江さんに共感してしまうところが
ありました。(もちろんお父さんにも)

思い切って誘って一緒に初めて観たのがこの映画で
その後も仲良くしています。

私もしょうゆめし
(何回も作りましたけど、おいしいですよー)
とビールで待っている、あの美しい日常を
お手本にしたいなー、と思います。
そして、周りの友人や自分の子供に伝えることが
広島で生まれ育った自分の義務だと思っています。