文学的商品学

斎藤美奈子という人は手をかえ品をかえいろんな新製品を考案して発売するお菓子屋さんのよう。砂糖とか小麦粉とかみなもおなじみの材料をつかって思わぬ形にして商品化していかれる。この本は「商品学」という切り口で文学をとらえたもの。物語の中の部屋やファッションといったアイテムから文学にアプローチしている。斎藤さんはよくみなに信奉されているような本をドライに取り扱ったりもするけれどえらそうに批判ばかりして。。という人でもない。今回もネガティブな嫌みに満ちて紹介されている本もあったが、ご本人も意識されているのか、「この本には愛情をもっておられ評価されているようだなぁ」というポジティブな評価のものも目立っていて、斎藤さんがほめているならぜひ読んでみたいな。。という気にさせられた。自分のきらいなもののことをネガティブに嫌みいってもらうのもおもしろいけれど、ポジティブに「読んでみたい!」って気にさせてもらうのもとても気持ちのよいものだなあ。

文学的商品学

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