フェリーニのおすすめ

「アマルコルド」の話掲示板でしている中で、フェリーニ大好きなfiorentinaxさんにフェリーニのおすすめをおたずねしたところ以下の書き込みをしてくださる。 

 

フェリーニの映画で ? って思うのは、ニーノ・ロータフェリーニ映画でいつも音楽を担当してる人)が亡くなって、彼の音楽が使われなくなってからでしょうか。 何本かありますが、それはいいとして、お薦めというか、私が個人的に好きなのは、「81/2」「道」 「甘い生活」 「カビリアの夜 です。「アマルコルド」以外では。

「81/2」では、悲しくなくても、綺麗な画面というか芸術を見たら、涙がでてくるものなんだなぁ、っていうことをはじめて知りました。 大学生の時にはじめて観た時は、ちょっと理解できない部分もあったのですが、数年後に観たら、難解とか言われてるけど、そうではなく、主人公の頭がぐるぐる廻ってるから、それが観てる方には難解に思えるだけなんだと分かったし、それが分かれば、ちっとも難しくないし、フェリーニの自伝的なところもあるので、フェリーニの正直なところもよくでているし、好みもすごくでてるので、面白いです! 映画の中で 最も好きなシーンがあるのもこの映画なので、我がベスト1ですが、「道」も素晴らしいです。 悲しいけど、素敵な映画です。また音楽が素晴らしいです~。子供の頃に観るのと、大人になってから観るのと、老人になってから観るのとでは、感想が変わるのは当たり前だと思うけど、「道」は、老いることの淋しさと、純粋な愛の悲しさみたいなものを 決してベタではなく、切なく観せてくれる、正統派とも言えるフェリーニの代表作ではないでしょうか。
奥様のジュリエッタ・マシ-ナが愛らしいです。でも、愛人には妻とは正反対のタイプを選んでる、というのが 「うーん、フェリーニもそうなのか、そういうものなんかな・・・」って思ったりして、なかなか感慨深げでもあります。

晩年の映画ではジンジャーとフレッドというマシ-ナもだいぶ歳をとってからのものなのですが、これがお薦め。
フェリーニ、やっぱりまだ健在! 的な映画です。彼のお得意の切なさ、みたいなものも感じられます。

最後になりましたが、フェリーニはサーカスと大女が大好きなのですが、自伝ではパーティは大嫌いと言っています。確かに、大好きなものはすごく綺麗に、面白く撮っています。パーティのシーンは そいうえば 「素敵!」って感じのものはなかったと思う。面白いなぁと、思います。フェリーニは正直な子供みたいな監督だなぁ、と思います。あくまで私の個人的な趣味ですが。

 

windshipさんのコメント

おすすめの「81/2」借りて来ました。それと「フェリーニのローマ」と。
「81/2」は、難解かな?と躊躇していましたが、sumikoさんのお話で、すごく楽しみになりました。
その時「甘い生活」は、ちょっと迷って、次回にしよう、と借りなかったので次に。
「道」もちゃんとみてないんで^^;、次には。
あー、それから「ジンジャーとフレッド」も気になる。。。

フェリーニの好きな大女、「アマルコルド」にもでてきましたね。
あの場面、ほろ苦くも可笑しかった。。。

まだ、見始めたばかりですが
一作づつ大切に見たいです。

4/13 fiorentinaxさんのコメント

「81/2」は、映画監督をしてる主人公が、撮影のことやら、映画関係者との人間関係、女性問題など、いろんなことで悩んでいるという設定です。この設定さえ分かっていれば、難解な映画ではないと思います・・・。 windさんはお好きかな。 大女のシーンはここでも出てきます。 このシーンには なにかジーンとくるものがあり、大好きなシーンなんです。女優もイイ感じを出してます。
ラストシーンが1番好きなのですが、もうこれは観てください。
すごい素敵な場面ですので。フェリーニの 「すべてうまくいけば
いいのに!!」って思ってる心情がよくでてて面白いです。

4/20 wattさんのコメント

フェリーニはそんなにみていない僕ですが、「道」はヒットしましたね。かなり思い入れのある映画といえます。
「8 1/2」は超期待してみたのですがよく判りませんでした。といっても今から十何年も前。今みたらsumikoさんのいうようにいろんなディテールが理解できて、すごい映画だと認識できるのかもしれません。
アヌクエーメが綺麗だったということと、大女(アニタ)の浜辺の踊りのシーンが強烈であったことなどをよく覚えていますが、、、。


甘い生活も20代の時にみたので、不完全燃焼です(苦笑)。実際、自分がローマにいったときにアニタ・エクバーグが噴水で戯れるシーンを思い出して、トレヴィの泉にいってみたのですが、これが予想を反して小学生が泳ぐプールのように綺麗でして、映画の感慨はあまり得られませんでした。

なので、今の所、フェリーニは「道」&ジュリエッタマッシーニです。
「道」でのジェルソルミーナとザンパノの関係は普遍性がありますね。女性に対する(多かれ少なかれ差はあるだろうけど)残虐性ってのは、世の男性の多くには思い当たるふしがあって心にちくちくきます(苦笑)。
ニーノロータのあのラッパの音楽も映画を観るまでは、たまに耳にするムードミュージックって感じでしたが、映画を観た後は、ジェルソルミーナを思い出す何とも切ない音楽として心に訴えてきます。

でもfiorentinaxさんのお薦めは観てみます。
フェリーニをみる動機付けが得られた感じがしてちょっと嬉しいです。(2005 4/20)

私のコメント

甘い生活」みました。
3時間もあるんですねー。
クラシック映画の気品が楽しかったです。
みていることが滋養になるというか。。
泉のところはちょっと映画と違う感じと書いてくださいましたが、
ローマってあんな感じなのでしょうか?
ジャームッシュ「ナイト・オン・ザ・プラネット」でもみかけた気がする場面とかでてきて(ひょっとして トレビの泉の近く?
石造りのロータリーみたいなのがあって石造りの門みたいな坂道を車で通るところ。。)行ったことのある人は「あそこだ~」って楽しみもあるのだろうな、と思ったりしました。

アニタ・エクバーグもよかったし、
アヌク・エーメも名前だけしか知らなかったのですが
よかったなぁ。。
みるべき映画でみてないのまだまだあるなぁと思いました。

わたしが一番好きなのはお父さんのシーンかも。。
イタリアのものってほんと家庭とのつながりが
大事なポイントとしてでてきますよね。

「道」みたのはあまりにも昔で。。
この書き込みをしてもらったあと、fiorentinaxさんにお会いしたのですが、
「一番かわいそうなのはザンパノですよ。
あんな年なのにあんな仕事するしかなくて。。」とかおっしゃってて、若いころはジェルソミーナがかわいそう。。とか思っていたけれどもう一回みないと。。と思いました。

2005/4/30 Makiさんの書き込み

フェリーニ
じつはわたし、19歳くらいのとき、イタリアが大好きでイタリア映画に凝っていたんですよ! イタリア人の男の子と文通(なつかしい!)をしてたほど、イタリア好きだったんです。 
甘い生活最後のほうで夜通し遊んだあと、パスタを食べに行くシーンがありますよね。 浜辺には醜い大きな魚の死骸がうちあげられていたりして。 そのシーンがやけに印象に残っています。

フェリーニの映画、若いときにわけわからずみたので、今もう一度じっくり味わってみたくなりました。

私のコメント

甘い生活」えらく長いのだけど
うかれていたと思うと影があったり
(「アマルコルド」でもそれを感じた。)
なんか人生そのものっていう感じで
リアルな雰囲気がいいですねー。
Makiさんがイタリア好きだったって納得がいきます。

わたしもイタリア系のもののおおらかで、でも
美術とか本物、って雰囲気大好きです。
現代のものになりますが、
確かラズベリー賞にあげられてしまった
ロベルト・ベニーニの「ピノッキオ」とかも
好きでしたよ。
美術とか衣装とかすばらしかった!

wattさんのコメント

>浜辺には醜い大きな魚の死骸がうちあげられていたりして。 そのシーンがやけに印象に残っています

そのシーンはうろ覚えですが、独人監督のフォルカー・シュレントルフの代表作ブリキの太鼓でもそういうシーンがありました。あの場面は「甘い生活」のパロディーだったのかな?

私のコメント

ブリキの太鼓」みるべき一作、という感じで
BSで放送したの録画はしてあるんですが、
体力いりそうでそのままです。
甘い生活」、パパラッチの語源の人が出てきますね。
「これって語源?」と思ってみていて
後で調べたらやっぱりそうで。。
なんかいろんなものの基礎になるようなクラシックって感じのところもあるのでしょうか?

Makiさんのコメント

 

ブリキの太鼓」にも魚のシーンがありましたか! それはとても興味深いです。 イタリア好きから始まってヨーロッパ映画好きになり、「ブリキの太鼓」もみたのですが、ずいぶん前なので、記憶があやふやになっています。 海のシーンがあったのは覚えています。 いろいろ思いおこしてみると印象的なシーンがありましたね。 ワルシャワ郵便局でしたっけ? ドイツ軍のポーランド侵攻の始まりのシーンとか、けっこうよく憶えています。 
もう一度みてみたいけど、ぽんさんのおっしゃるように、たしかに体力いりそうです。