京都芸術センターに借りていた「別冊太陽 監督市川崑」と四谷シモンさんの「人形作家」を返しに行く。
- 作者: 四谷シモン
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/11/20
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市川監督の方は、対談や縁のあるかたからのコメント、コラムなどでなりたっているのだけど、美術監督の西岡善信さんの文章と、ミルクマン斎藤さんによる市川監督の映画のデザインについて書かれた文章が特によく、手元においておきたいという感じ。
ミルクマンさんの文にはいろいろな映画からの引用があり、市川監督とデザイン上で影響をお互いに及ぼし合った欧米映画のデザイナーの名前も載っており、本当によく調べてあるし、みたい映画のリストが増える。
西岡美術監督のものも、いつもその作品に驚くのだけど、作品制作の秘話もまじえての話がとてもおもしろかった。
もう一冊借りていた四谷シモンさんの本は、昔からシモンさんのムードのあるドールに惹かれるものを感じていた私にとってどのようにしてあのような人形を作っているのか、制作の裏の気持ち、努力などもきっちり記されていて、よい読み物だった。さらに、60年〜70年のアーチストたちの様もヴィヴィッドに描かれ、読み応え充分。それは、四谷さんが唐十郎さんの状況劇場で舞台にたち、唐さんとも行動を共にしていた時代もあるので、アングラ演劇さかんなるころの空気が生に感じられる。そして、その人脈の豊富さに読んでいてわくわくする。(唐さん、渋澤さん、コシノジュンコさん、寺山さんなど)。映画でいうとヌーベルヴァーグの頃って、いろいろな分野の人の交流が楽しいな、と思うのだけど、そういう楽しさ満載の本。(こちらにすばらしい説明。)
さて、そんな魅力的な本に巡り会わせてくれる京都芸術センター。本は少ないものの開架式で、芸術分野に特定した品揃えがなされていて、本を実際に手にとってイメージをふくらましたり、いままでチェックしてなかった本に興味が広がったり、なかなかすてきな空間です。ビデオ等の映像媒体も、その場でみさせてもらうのは可能。今日もちらっと棚をみたら、美輪明宏の「毛皮のマリー」などさまざまな舞台作品、かねてから興味をもっていた「事の次第」というフィルム(ものの連鎖でつづられるおもしろい映像作品らしい)、古い邦画、チェコアニメなど自分が気になっているものがいろいろそろっていて、こちらの方もどんどん利用したい感じ。
写真にあるようにこの京都芸術センターは元は小学校の建物。祇園祭を支えてきた京都の町衆が威信をかけて建てた立派な建物なので細かい意匠などみるのも楽しい。図書室の隣の情報資料室みたいな場所もいろいろおもしろそうなイベントのちらしがいっぱいで、定期的に顔を出したい場所。
本を返し終わって帰りに四条河原町のタカシマヤに寄ってみると小布施から栗のお菓子が。以前掲示板で小布施の栗のはなしをきいていたのでひょろひょろと近づくと、落雁の試食をすすめられる。
落雁って今までそんなに好きじゃなかったのにこの香ばしさはいい!お砂糖の味ばかりするものもたまにあるけれど、これは豆の味がいい!えんどう豆をベースに栗の蜜をつなぎに使っているそう。
パッケージもすごくほっとするようなデザインだし、ちょっとずつ豆皿に載せたりしたらなんだかおしゃれだな、と小布施の落雁をふらふらと購入。
小布施堂のページはこちら。小布施、なんだかともいいところみたいだなぁ。。