むかしの味

自分が小さいときに時々連れて行ってもらった京都のまぼろしの名店「フルヤ」が載っているので読んだ。行ったことのある店のはなしはうなずきながら味わえるし、ほとんどがこっちになるのだけど、行ったことのない店も、ひとつひとつが物語のようになっていて容易に、本の世界にはいりこめる。自分の仕事に誇りを持って生きている人々の姿や、むかしのこどもの育ち方に、のんびりしている中にもすごいたくましさを感じ、読んでいる間中、豊かな時を過ごすことのできる本だった。

むかしの味 (新潮文庫)

むかしの味 (新潮文庫)