私の昭和映画史

昭和映画史という名前がついているけれど、本当に廣澤さんの接してこられた範囲が描かれていて、いわゆる映画史の本ではないけれど、戦前から戦争、そして戦後と歩んでこられた廣澤さんの生涯の記録は本当に生きた日本史というか、その時代時代の雰囲気が強く感じ取れる。そして、まさにこれぞ日本版「ニューシネマパラダイス」だな!と何度も感動した。
廣澤さんは映画の脚本を書いてこられただけあってとっても読みやすく入り込みやすく、そして、廣澤さんの主張がはっきりとわかる本だった。さすが私の大好きな「サンダカン八番娼館」の脚本家でいらっしゃるなぁと強く感じた。
七人の侍」や「雪国」の助監督としてのエピソードも楽しかった。
読んでいくとふるい日本映画への理解がさらに広がりイメージをふくらませることのできる本だった。

私の昭和映画史 (岩波新書)

私の昭和映画史 (岩波新書)