平野レミのうまいもの教室

平野さんの豪快でかわいらしい性格そのままにあっと驚くような組み合わせで簡単にでき、みてきれいで食卓で本当に売れる料理が載っており、とても参考になっている本。

むかしの味

自分が小さいときに時々連れて行ってもらった京都のまぼろしの名店「フルヤ」が載っているので読んだ。行ったことのある店のはなしはうなずきながら味わえるし、ほとんどがこっちになるのだけど、行ったことのない店も、ひとつひとつが物語のようになっていて容易に、本の世界にはいりこめる。自分の仕事に誇りを持って生きている人々の姿や、むかしのこどもの育ち方に、のんびりしている中にもすごいたくましさを感じ、読んでいる間中、豊かな時を過ごすことのできる本だった。

むかしの味 (新潮文庫)

むかしの味 (新潮文庫)

食卓の情景

池波さんの本を読んでいるとほんとの意味で豊かに暮らすとはこういうことだろうな、と思わされる。精魂傾けたきっちりした食事の大好きな池波さんだけれど、ただの美食家やブランド指向でなく、ご自身でも工夫してつくられるし、だからこそ手抜きが嫌い!という感じ。だからといって気むずかしい本ではなく飄々とした感じが、味わい深い池波さんご自身によるイラストとともに、漂っている。いろいろなものをみる目がきっちり定まっていて古き良き日本、これからも大事にしていきたい日本を感じさせてくれる本だった。

食卓の情景 (新潮文庫)

食卓の情景 (新潮文庫)

散歩のとき何か食べたくなって

これはそれぞれの町にある食べ物屋さんを軸に東京、京都、横浜、大阪のいろいろな町の空気を池波さんが描き出している本。京都の寺町のあたりの風情は少しずつ変化しているとはいえやはりそのままだし、わたしがいつも時代劇のようだなと感じる京都、今宮神社のあぶり餅屋さんなども江戸の空気を味わうために訪れておられるとのことで、そんな風に今でもこの本そのままの雰囲気を味わえる場所もあり、逆にこれを記された時の雰囲気はほんの少ししか残っていない町あり。。それはいろいろですが、感傷的になったり、奢った美食家的なないやらしい感じに決してならずにさらりと池波さんの愛する町の様子が綴られていて、よい本だった。

散歩のとき何か食べたくなって (新潮文庫)

散歩のとき何か食べたくなって (新潮文庫)

「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそ

久しぶりに読んだ金井美恵子さんの本。あちらこちらに書かれた文章をまとめたもの。なかなかに好戦的で白黒はっきりしているのだけれど書かれている映画のことや、論争になっている、そのもとの対象にふれたことがないのでわからない部分もあった。一番すきだったのはこどもの本に関するところ。金井さんの「ページをめくる指」という絵本に関する本はぜひとも読みたくなった。

「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそ

「競争相手は馬鹿ばかり」の世界へようこそ

向田邦子の手料理

向田さんはドラマの脚本もすばらしいが、趣味がまたいい!彼女の尊敬すべき人生を反映した手早くできておいしい料理がいくつも載っていて、我が家の定番になっている。

向田邦子の手料理 (講談社のお料理BOOK)

向田邦子の手料理 (講談社のお料理BOOK)

シネ・モードギャラリー

ファッション業界の日刊専門誌「繊研新聞」に連載されていた映画ファッションに関するコラムをまとめたもの。
まずは20世紀のファッション、そして映画の背景の時代を追って古代エジプトから現代に至るまでのファッションを紹介するコーナー、そして帽子、アクセサリー、サングラスなどのファッションアイテムを中心にきりとったもの、アカデミー賞の衣装デザイン賞を順におっていくもの、と豊富な内容のものがわかりやすい文章で綴られている。
この映画のこの人の衣装もいいな、位のさらりとした感想はもっていても、時代考証的なことデザイナーのことなどはほとんど知らなかったので、とても勉強になる本だった。

不実な美女か貞淑な醜女か

同時通訳ってどんな仕事?ということがとても才気の感じさせられるユーモアでもって語られる。それは結局仕事をしていくとは、コミュニケーションをとっていくとは?という自分の問題に応用がきくと思う。特に「貞淑すぎるのも罪作り」という項目は参考になった。きまじめにやればいいってものじゃないから。

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)