大人のための昭和史入門

第一章の半藤一利、船橋洋一、出口治明、水野和夫各氏による特別座談会「世界史の中の昭和史」は読みやすく、テレビ「その時歴史が動いた」「英雄たちの選択」風の現代的解釈がおもしろかった。二章以降は、第二次世界大戦前後の人物や事件についてそれぞれ…

石黒亜矢子作品集

石黒さんは現代の浮世絵師というか、妖怪変化あるいは物語に登場する人、動物などをとても愛情深くそのものが持っている魅力をうまく引き出されて描かれていて拝見していてとても楽しい気持ちになる。とても精緻に描かれている時もあればちょっとしたマンガ…

京都のおねだん

元々は「ふや町映画タウン」のことが載っているので読み始めたのだけど、長年京都に住んでいても知らなかった、この本を読んだことで得られた情報が多かった。(webにも載っていないさるお寺が提供している、完全口コミ情報でしか知り得ないBAR空間など)そ…

ひよこのあゆみ

先日、遠藤周作氏の誕生日ということで回って来たtwitterをみていて、中高時代に読んだ「おバカさん」という小説が、キリストの姿をユーモア小説の形で描いていて好もしかったこと、また「聖書の中の女性たち」という本に出てきた慶応大学の同級生の「ひよこ…

白洲次郎の流儀

カントリージェントルマンとはどういうものか、本当の意味でのダンディズムとは・・ということを感じる本。白洲さんが書かれたという祇園のお茶屋松八重の看板の、青柳恵介さんのおっしゃるところの「邪気のない字」本当に素晴らしい。しかし、ネットでみる…

みちくさ2

NHKのEテレで菊池亜希子さんが甲斐みのりさんの仕事場を訪問した後それを絵でまとめておられたのがとてもかわいくて、この本を読んでみることに。たとえば京都にしても、「お!ここを!(嬉)」というような場所の取り上げ方*1で、ほかのエリアの紹介も信頼が…

「ない仕事」の作り方

みうらさんを80年代からおっかけてる私にはおさらいのような本だけど、この、講演会で自分の半生を話すかのような口調がおもしろい。みうらじゅん氏は言い回しのうまいひとだなとつくづく感じる。「ない仕事」の作り方作者: みうらじゅん出版社/メーカー: …

人生パンク道場

アマゾンの書評ですごく真摯に人生相談にこたえておられると書いてあったのをみて読んでみる。相手の悩みを整理し、考え方のヒントを提示。それが、その人の問題だけでなく読んでる人へのものの捉え方の問いかけにもなっている。最後のペットロスのところな…

珍妙な峠

「宿屋めぐり」*1の彷徨と「リフォームの爆発」*2や「バイ貝」*3等のお買い物奮戦記をまぜたような、茶色く煮込んだぐつぐつしたものが味を出しているような・・そのときそのときの自嘲記のようなところはリズム感にあふれとてもおもしろくどんどん惹きつけ…

シブいビル

今までどちらかというと明治や戦前の近代建築にばかり目がいっていたが、高度成長期生まれのビルも不思議な魅力があるものだなあ。写真の撮り方もうまい。(白川青史氏)文章は「東京人」副編集長の鈴木伸子さん。みてみたくなった場所 有楽町ビル 喫茶スト…

神戸ロマンチック案内

感心するのは写真。ものを紹介しているページでもそれぞれ対象物のサイズをかえてみてきれいなバランスになっている。撮影は大段まちこさんという方。デザインや編集はMOKA STOREというところの方が担当されている。この本に出てきて私も大好きなのが夙川ク…

リフォームの爆発

家のリフォームに関する憂鬱を文学に。職人さん相手のしんどさの表現!!読んでいて元気になった。リフォームの爆発作者: 町田康出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/03/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る

義太夫を聴こう

書評で紹介された時、女義太夫の方の表紙で、勝手に普段文楽で接しているものとは違うかななどと思っていたのだけど実際に手に取って読み始めてみたら、普段文楽で接している義太夫や三味線の理解が深まるものだった。ソフト版という体裁も読みやすくてあり…

三谷幸喜のありふれた生活 14 いくさ上手

このコラムで好きなのは、過去の名優名画などのことを取り上げている時。今回は「アラモ」のみくらべ。史実からは跳躍しているが、構成がおもしろいジョン・ウェイン版。ディビー・クロケットという名前、ディズニーの唄でしか知らなかった。(和田誠さんの…

ショパンコンクールを聴く

ショパン・コンクールを聴く作者: 舩倉武一出版社/メーカー: アルファベータブックス発売日: 2016/05/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る少し前にショパンコンクールで使うピアノの調律師の方のドキュメンタリーをみたこ…

ギケイキ

今まで橋本治さんの「双調平家物語」*1の中でも、また歌舞伎の舞台に出てくる義経にも特に魅力は感じなかったのだけど、これを読んで初めて義経に親しみを感じた。町田さんの描く主人公は「告白」であれ「宿屋めぐり」*2であれ、めちゃくちゃしていてもすご…

付喪神

御伽草子の「付喪神」を町田康さんが思い切った文にしていてとてもわかりやすい。そして石黒亜矢子さんのコミカルだけど不気味な絵。中学生でも楽しめる感じかも・・このシリーズの他の本堀江敏幸×絵・MARUU「象の草子」 藤野可織×絵・水沢そら「木幡狐」 日…

芸能人寛容論

武田砂鉄さんに注目したのは、確か子どもが被害者のニュースで、被害者の親をよくも知らない人たちが責め始めたりしていやな空気になっているのをきちんと整理して書いておられる文章をみてから。それ以来、新聞などで署名記事があると注目してきたし、twitt…

ガケ書房の頃

ガケ書房の頃作者: 山下賢二,三島宏之出版社/メーカー: 夏葉社発売日: 2016/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るガケ書房、地元にあったし、できた時から知っているもので、そうそうはじめはそんな感じだったな、あんな棚あっ…

絵で見る明治の東京

今知っている東京の姿と時代劇などでみる江戸の姿をつなぐものがここには描かれている。明治の時代の政府がどういう風にできていって、人々の生活はどうだったか、どんな出来事があったかということを風景、建物を中心に、当時の姿を趣きのある絵とともに紹…

羊と鋼の森

本屋大賞受賞のこの作品、なにがビックリしたって、作者が大学時代の知人だったことだ。はじめは作家になったことも知らなかったので驚きでしかなかったのだけど、やりとりがあった20代の時のことを思い出し、彼女の片鱗を探す読書をしてみたら、なるほど…

京都ぎらい

著者の井上章一さん、テレビなどで毒を交えつつ、飄々とした発言をされているイメージがあるけれど、この本の色彩がまさにそういう感じ。井上さんの育った嵯峨が洛中(わかりやすくいうと京都の旧市街とでもいおうか・・)でないことからやんわりと洛中の人…

宇治拾遺物語

河出書房新社から出ている日本文学全集8巻。本当は伊藤比呂美氏の「日本霊異記」「発心集」、福永武彦氏の「今昔物語」も一緒に入っているのだけど、図書館の返却期限の都合で、町田康氏の「宇治拾遺物語」のみ読む。 おもしろかった。すごい話術。大胆に現…

今夜も落語で眠りたい

第一章では話の筋中心、第二章では落語の登場人物を切り口に、第三章では、中野さんの落語との出会いの話を、いつもの中野さんらしい、粋に楽しく、でも江戸情緒って方角からでなく、楽しい洋画を鑑賞するような方向からのまとめかたで、おすすめCDとともに…

この素晴らしき世界!?

毎年年末に楽しみにしている中野翠さんのコラム。中野さんの映画の趣味(ファニーな魅力のあるものがお好き)に全幅の信頼を寄せている。いつかみたい作品 清水宏の「都会の横顔」 三遊亭圓生の親分が「網走番外地」*1のアラカンさんと並ぶくらいよかったと…

ぼくらの民主主義なんだぜ

ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2015/05/13メディア: 新書この商品を含むブログ (98件) を見る昨年9月の安保法案の採決の時によく話題になっていたので、その流れの中で現政権に反対を唱えている…

タモリと戦後ニッポン

終戦の年に生まれたタモリを軸に、タモリの人生と同時に日本の戦後世相を語っている本。たとえばボーリング場、たとえばスタジオアルタの成り立ち。世相をたどっていくと、竹村健一がテレビに出ていた時代、「いいとも」でのさんまとのコーナーの楽しさ、「…

歌舞伎ッタ!

こちらのブログの記事がきっかけで読んでみた。よく歌舞伎や文楽をみにいくとき、あらすじを読んでも詳しすぎてちんぷんかんぷんになることがあるのだけど、勘三郎さんの舞台説明はかいつまんでいてとてもわかりやすい。1996年12月から1999年7月に演劇誌「ソ…

大阪アースダイバー

あとがきにあった、東京のセンスで大阪をみると見誤る・・西日本の稲作文化と東日本の狩猟文化との差異、タブーの違いという話は大変参考になる。そして、現在の大阪の疲弊と維新の会についての文章、なんと今日的であることか。自分へのメモ(自分なりの理…

四代竹本越路大夫

越路大夫のお姿には山川静夫さんが司会をされていた古典の番組の特集の回でしか触れたことがない。その対談で話しておられた様子や、その番組で紹介された舞台や文楽の歴史がもっと肉付きを帯びてこちらに迫ってくる本だった。納得のいかない生き方はできな…