映画

インファナル・アフェア 3部作

まず 第一作目 インファナル・アフェア 無間道(字幕版) アンディ・ラウ Amazon はじめ説明的なシーンがえらくコンパクトにまとめられスコセッシによるリメイク作「ディパーテッド」*1で筋を知っている(警察側とマフィア側それぞれのスパイ工作員)からす…

望郷

フランスのクラシック映画、勝手に敷居を高くしていたのだけど見始めたら見づらいってこともない、なんかいいなと思い始めている。 本日は「望郷」を。 望郷(字幕版) ジャン・ギャバン Amazon 有名すぎて避けて通ってきたが、デュヴィヴィエ監督の「旅路の…

旅路の果て

旅路の果て ジュリアン・デュヴィヴィエ Blu-ray ヴィクトル・フランサン Amazon 前から名前だけはきいていたが。。とても堪能した。 役者ばかりの老人ホームのはなし、まさに倉本聡のドラマ「やすらぎの郷」のオリジナルといっていいのではないだろうか? …

人斬り

人斬り Blu-ray 勝新太郎 Amazon この映画での勝新太郎演じる人斬り以蔵は、他でみるような怜悧な感じでなく犬っころのよう。仲代演じる武市半平太につき従い、挙句にあたかも太宰治が「駆け込み訴え」で描いた愛憎劇のような境地に。 時々勝新太郎について…

逢びき

逢びき [VHS] 東北新社 Amazon 勝手に想像していた悲恋物語に観客が付き合わされるという感じが全くなく、実に面白かった。 駅の列車や待合喫茶の軽いやりとりから始まる冒頭、何度も舞台になる待合喫茶のマダムの様子が丁寧なのも、何やら深い想いがありそ…

ブローニュの森の貴婦人たち

1944年ロベール・ブレッソン監督。 18世紀フランスの哲学者ドゥニ・ディドロによる小説「運命論者ジャックとその主人」が原作。ブレッソンが脚色し、ジャン・コクトーがセリフ監修とのこと。 男が女のいうことを額面通りに解釈する悲劇が面白いドラマ仕…

聖母観音大菩薩

聖母観音大菩薩 松田英子 Amazon 1977年若松孝二監督。60年代の若松監督のものに比べたら自分には描かれているものがくっきりしていて観やすいように思ったら社会派 佐々木守脚本だった。 小浜の若狭彦神社、若狭の海岸に立つ原発施設が何度も映る。人魚の肉…

こんな映画が、

行きつけのvhs専門レンタル店ふや町映画タウンが20周年ということで数少ない(というのも随分婉曲表現)常連さんとふや町映画タウンで出会った作品の数々をtwitterで挙げていってる。 ラース・フォン・トリアーの話題になって、ふや町映画タウンのおすすめリ…

実録忠臣蔵(1928)

「下鴨映画祭」*1で池田富保監督の「忠臣蔵」(1926)を弁士掛け合いで観て戦前の「忠臣蔵」も難解ではないなという感触を持ち、牧野省三監督のこちらの映画も観てみた。 よく拝見している忠臣蔵のファンサイト「くすや」での紹介↓ kusuya.net マツダ映…

ケイコ目を澄ませて

happinet-phantom.com 前から評判はきいていたこの作品、もうすぐアマプラに入るらしいが、「音が大切なので、劇場の方が良いと思ってしまう。」というtweetを拝見し、あわてて劇場公開を探したら近くの出町座でロングラン上映中。バリアフリー日本語字幕付…

雪之丞変化

先日の下賀茂映画祭*1、早稲田大学演劇博物館副館長の児玉氏の話に長谷川一夫が二度演じた「雪之丞変化」はリトマス紙というお話があり63年の市川崑版を許容する人は歌舞伎に慣れている方(歌舞伎は太った俳優の女形などしょっちゅうだからぽっちゃりしたお…

トリとロキタ

bitters.co.jp 少し前に「イゴールの約束」*1を皮切りに遅ればせに好きになって、いくつか旧作*2を拝見しているダルデンヌ兄弟。新作が来たらぜひ劇場に行こうと思っていたが、厳しい内容という前評判をきき、行くのが遅くなってしまった。しかし、観はじめ…

下鴨映画祭

「下鴨映画祭」というものが今年の3月に開催され、4/23までその様子が公開されている。日本映画の黎明期を偲ぶ集まりだ。 尾上松之助資料保存会の松野吉孝代表が中心になって事業が進められたそうだが、専門家の解説あり、活弁士と生演奏つきの上映ありで大…

雨情

「夫婦善哉」や「猫と庄三と二人のをんな」など森繁久彌によるダメ男系の作品がヒットした余波ということもあるのだろうが、一応創作と謳ってはいるものの野口雨情の伝記映画のような体裁なのに、もうとことん森繁演じる主人公の野口雨情が情けなく描かれて…

痴人の愛 (人間の絆)

痴人の愛(字幕版) レスリー・ハワード Amazon 今回観たのは谷崎じゃない方の「痴人の愛」。 先日からのベティ・デイビスブームの一環として鑑賞。ふや町映画タウンおすすめ作品(☆☆)。 モームの「人間の絆」が原作でファム・ファタールものだけど谷崎作品…

黒蘭の女

黒蘭の女(字幕版) ベティ・デイヴィス Amazon またまたウィリアム・ワイラー×ベティ・ディヴィスの作品。ちらっとみたあらすじで「悪女ものか」と思いながら鑑賞。良くてびっくり。 ベティ・デイヴィス演じる主人公は勝ち気な南部の女。「風と共に去りぬ」…

女相続人

女相続人(字幕版) O.デ・ハヴィランド Amazon またまたワイラー。面白すぎるメリハリ。なんて辛辣。 ワイドショーや週刊誌で(元?)皇族の結婚についてあれこれ取り沙汰するのを軽蔑して見てきたが、この映画では娘の求婚者を認めようとしない父親を応援…

ウィリアム・ワイラー祭

続けざまにウィリアム・ワイラーの作品を観てる。先日観た澤島忠監督のインタビュー*1でもお手本として言及されていたし、twitterでもふや町映画タウンの常連さんがふや町がおすすめとして紹介してくれたおかげで出会えた作品としてワイラーのものを挙げてお…

森の石松

www.shochiku.co.jp 吉村公三郎監督 新藤兼人脚本。1949年。 任侠ものというより、松竹の作った石松ものという感じ。型通りのかっこいい話でなく、飯田蝶子のお母さんや、殿山泰司の友人など渡世業以外のひとがきっちり描かれる人間ドラマ。 観ながら、…

地獄変

1969年豊田四郎監督。 あるとき(「伊豆の踊り子」*1「あこがれ」などを観たあたりか?)から内藤洋子さんの可憐さがとても大好きになりこれもその一環でレンタル。 地獄変 [VHS] 東宝 Amazon 原作は中高時代に何かの教材で読んだ記憶があったのだが映画…

必殺仕掛人、必殺仕掛人梅安蟻地獄

必殺仕掛人 田宮二郎 Amazon 必殺仕掛人 梅安蟻地獄 緒形拳 Amazon 必殺シリーズ、ものごころついてからちゃんと観たことがなく、今年も梅安の名前のついた映画が公開されていることから、ひとつ観てみようという気持ちになった。1973年に作られたこの二…

桃中軒雲右衛門 再見

この映画、2012年に一度観ているのだけど*1、11年を経て記憶に残っていたのは桃中軒雲右衛門というのは厳しい人だったなあということだけ。 近年、「人生劇場」*2などで、いぶし銀の月形龍之介さんの魅力に気付き、そういえばと主演のこの映画を再見し…

栗山大膳

「栗山大膳」は、黒田騒動の物語で、森鴎外の小説にもある。ので、「阿部一族」*1を観たあと、森鴎外原作シリーズのつもりで日活の大河内伝次郎の映画を鑑賞。 栗山大膳 大河内傳次郎 Amazon なんかこんなことある?というような展開もありで森鴎外の「栗山…

阿部一族

昨年戦前の前進座の映画「戦国群盗伝」*1を観て面白さを感じて以来前進座の映画をちょこちょこと観ている流れでの「阿部一族」鑑賞。前進座による映画(熊谷久虎監督)と深作監督のTV版と見比べテイストがあまりに違うので森鴎外の原作も読んでみた。 二作と…

がめつい奴

CSで放映されなんとなく録画していた「がめつい奴」(1960)。監督が最近立て続けに観ている千葉泰樹と知り観てみる。 movies.yahoo.co.jp 釜ヶ崎の自称「ホテル」が舞台。(黒澤明の「どん底」*1のような住環境。)生き馬の目を抜く人々の暮しっぷり。…

OK牧場の決斗

OK牧場の決斗 (字幕版) バート・ランカスター Amazon ワイアット・アープものを色々観ている流れでこの作品も鑑賞。 冒頭流れる音楽とても聞き覚えのあるものだった。 youtu.be 全体的な雰囲気も子どもの頃テレビの洋画劇場で親しんできたようなオーソドッ…

トレマーズ

トレマーズ (字幕版) ケヴィン・ベーコン Amazon 1990年 ロン・アンダーウッド監督作品 twitterで映画アカウントの方がほめておられたのだったか?動機がはっきりしないが、いつか観るつもりのメモに載せていたので借りてみた。 (→追記:ふや町映画タウンの…

七人樂隊

septet-movie.musashino-k.jp 昨秋、香港映画の面白さに目覚め、ちょっとまとめて観るようになったのだが、そのもともとのおこりはジョニー・トー監督の「ザ・ミッション」*1や「暗戦」*2のシャープさ面白さに出会ったこと。彼が中心になって香港の七人の映…

四月の魚

四月の魚 [DVD] 高橋幸宏 Amazon 高橋幸宏さんが亡くなられた。自分たち50代後半夫婦にとってYMOは10代後半から20代前半にどっぷり浸ってアルバムが出るたび追っかけ、娘(30代前半)の友人が「ライディーン」など聴いているのをみると嬉しく思ったりしてとて…

女優ナナ

昨年秋に観た映画「SING」*1に元女優のナナなる大金持ちの老嬢が出てきて名前だけの知識である「女優ナナ」を知りたくなった。手っ取り早いところで映画にて鑑賞。 観たのは、ジャン・ルノワール監督版(1926)とクリスチャン=ジャック監督版(1955…