2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

濡れた欲情 特出し21人

昭和49年度神代辰巳監督作品。姫田真佐久撮影。演歌、フォークソング、春歌そして場面のコラージュ。骨になるストーリーにぽんとはさまれる風景、ストリッパーとすけこましの物語にからんだり離れたりするはみだし劇場外波山文明氏の路上演劇、違う要素がか…

エノケンの誉れの土俵入 

エノケンが相撲取り・・体格的に?という感じだけど、相撲取りっぽい体格にも感じられない千恵蔵さんが相撲取りをしている映画「土俵祭」*1もあったし、小兵的な相撲取りもいるしな・・と頭の中で納得させる私。 とにかくエノケンが飛んだり跳ねたりの動作を…

女と三悪人

「三人吉三」*1の話と「天井桟敷の人々」を下敷きにして井上梅次監督が作られたとか・・劇場が舞台なので弁天小僧や娘道成寺などのシーンも出てきて、歌舞伎要素的な楽しみもある。「天井桟敷〜」ずいぶん前にみて、すっかり忘れてしまっているし、いろんな…

女校生 天使のはらわた

all cinema 公開時「女高生 天使のはらわた」だったのを「女校生」にかえたとのこと。ビデオ以外にみる機会が少ない作品のようだが、確かに主人公の孤独で追いつめられた気持ちは表現されているがレイプシーンが容赦なく、抵抗感大いにあり。どんづまりの男…

北京好日

1992年ニン・イン監督作品。 京劇を上演する劇場の管理人ハンじいさん。舞台を手伝ったりしていて京劇の見識を身につけている。定年退職後、公園で京劇に興じている老人たちにアドバイスしたのがきっかけで、京劇サークルを作って活動。ハンさんの仕切りたが…

殺人天使

all cinema ニール・ジョーダンの初監督作とのこと ざらざらした空気のスタートなどはよい。アイルランドの政情がバックにあり、最初、その旨の注意書きも出たりするのだが、そこがちゃんとわかってないとちょっとただただ血で血を洗っているような気配がし…

ミレニアム・マンボ

スー・チーというヒロイン役の女優さんはしなやかで美しかったし、ゆうばりの映画祭に舞台を移したり、ホウ・シャオウシェンの日本への思いは感じられたけれど、ストーリーとしては、彼女につきまとう独占欲の強い男の話が中心で、みているこっちと少しテン…

百年の夢

映画COM スロヴァキアの老人ばかりの村で静止画と動画を組み合わせて、そこに生きる人を撮ったもの。人形細工なども組み合わせたり、また鶏や家畜がおもしろい角度で組み合わされていたりしているところは、シュヴァンクマイエル*1と、全体の雰囲気は「リト…

レインボウ

原作ではこの作品の続編にあたる「恋する女たち」の方は以前みたことがある。*1。その時は、個性の強い登場人物に少し腰が引けていたような気がするのだけど、今回、ヴィクトリア時代に自我を追い求めるヒロインの姿にとても打たれた。女性が自分の理想を追…

博多っ子純情

1978年曽根中生監督。 「嗚呼!!花の応援団」*1で曽根監督の別のものもみたくなり、こちらも。楽しかったー。 光石研ら公募博多っ子三人組演じる中学生のかわいらしかこと!中学生だけに性にも興味を持っているけれどそれがもうほどよく、「色即ぜねれいしょ…

男はつらいよ 純情編

この回は寅次郎の旅先は五島列島。赤ちゃん連れで実家に帰ろうとする宮本信子の実家の父が森繁久彌。森繁氏、いつもよりずっと地味な役だが、抑えめでよい雰囲気。結局宮本信子も森繁に諭されそこに落ち着くわけでなく、もう一度外でやり直すのだけど、最後…

国立文楽劇場 初春文楽公演

第1部 午前11時開演 花競四季寿(はなくらべしきのことぶき) 万才・鷺娘平家女護島(へいけにょごのしま) 鬼界が島の段八代目竹本綱太夫 五十回忌追善 豊竹咲甫太夫改め 六代目竹本織太夫 襲名披露 口上 追善/襲名披露 狂言 摂州合邦辻(せっしゅうがっぽ…

白い指の戯れ

all cinema 1972年 村川透監督作品。脚本神代辰巳。主人公伊佐山ひろ子の最初の相手が口ずさんだり、中盤の泡だらけになってのバカ騒ぎの時のサイケな空気も漂う場面に流れる俗謡風の音楽に、時代や思想はどんどん西洋の影響を受けつつもなにか姿かたちや性…

TOKYO海月通信

恒例の年末年始のたのしみ 中野さんの「サンデー毎日」のコラムのまとめ。中野さんの薦めてくださる映画はほぼ間違いがないので、これを鑑賞のたよりにしている。(ちょうど本が出るころ、wowowでも放映するくらいのタイミングなので)今回は年末に京都高島…

戦場の小さな天使たち

意表をつくおもしろさ。 邦題がありがたすぎて、この映画のたのしさを伝えていない。原題は「Hope and Glory」。 第二次世界大戦中のロンドンの少年の一家の物語だけど、こんな戦中もの初めてみた。リアリスティックで生きる力に満ちていて、少しの陰影もあ…

ある機関助士

ドキュメンタリーマガジンneoneo07号土本監督特集の森田典子さんという方の記事によると、国鉄が前年の常磐線三河島事故をうけて、安全対策をテーマにした映画のコンペが行われ、岩波映画から土本監督が参加したのがこの映画だという。それまで実験的な映像…

甦る昭和脇役名画館

鹿島茂さんの映画鑑賞史をたどりながらの、鹿島さん一押しの脇役案内。ニュートラルに経歴を辿るものでなく、まず鹿島さんがその俳優のどの演技に惚れたか、そこからの話で熱さが楽しい。そのあと経歴がはさまれ、その演技の魅力の秘密が書かれている。岸田…

日本映画史110年

バラバラにみてきた日本映画の個々の作品の、日本映画史の中での位置、意味というのがわかりやすく書かれていてとても愉しく読み進んだ。今まで後回しにしていた映画にまた興味を持ったり・・そうなのかと思ったのは、日本に長い間根付いた弁士文化のこと。…

星くず兄弟の伝説

1985年手塚真監督作品。今年続編「星くず兄弟の新たな伝説」が公開されるそう。「星くず兄弟の伝説」の方はすごく80年代っぽく、配給シネセゾンということだったけれど、86年パルコ配給の「ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け」と似た、あの当時の空気が濃厚…

歌ふ狸御殿

「狸御殿」がヒットして作られた第二弾らしい。コミック「この世界の片隅に」*1で、東條英樹の口癖が歌になっているということを読んで確認しようとみた。家老の歌に出てきた。 かちかち山のたぬきと証城寺のたぬきが派閥争いするというような暢気なおはなし…

仁義の墓場

仁義という言葉が通用しないような、計算もなしに自分の組織に歯向かったりする実在の人物石川力夫を描いたもの。大阪の芹明香との場面は、「マル秘色情めす市場」*1ととてもつながっている感じがする。樋口尚文氏の「ロマンポルノと実録やくざ映画」による…

怪談 昇り龍

おもしろかった。すごくよくできている。怪談話と任侠をうまく組み合わせテンポよく笑いの要素も取り入れまとめあげてある。 梶芽衣子の女親分をつけ狙う盲目の女役のホキ・徳田の迫力のあること。それを影でささえる見世物小屋の土方巽!加藤嘉さん演じる梶…

ゲンセンカン主人

つげさん自身も登場され、つげ義春の世界を愛している人たちによってつくられたのは感じた。原作を読んだ覚えがあるのは「紅い花」くらいかなと思うけれど、原作には追っつかない感じもあるけれど、映画の空気は悪くない。岡田奈々がモダンガール風、きたろ…

嗚呼!花の応援団

やんちゃでついていけない世界の話と思い込んでいたが、「けんかえれじい」風味との評を読んでみてみたら、ほんとその通り。なんかかわいらしくてよい感じ。昭和後期のバンカラ。主人公の三年生青田のあこがれの女、青田の父の愛人、宮下順子も私が今までみ…