2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

喧嘩鳶(1939)

先日石田民三監督の幻のフィルム「おせん」(1934)を拝見する機会を得た。「おせん」と石田民三についてはこちらのページに詳しいが、「おせん」の原作本の小村雪岱の構図を借りた浮世絵の構図が評価されている。 雪岱については松岡正剛氏によるこのページ…

人生はビギナーズ

母親の死後、父親がゲイをカミングアウトして・・というあらすじはきいていたが、とにかく父親役クリストファー・プラマーの美しい老年姿に惹きつけられる。元美術史家の男性らしくとてもセンスの良い佇まいと暮らし。 また個性的な両親に育てられ、何事も慎…

ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男

オフィシャルサイト アルトマンの生涯を追うにはわかりやすいし、関係者のインタビューも楽しいものだと思う。ただ、タイトルから自分は以前ブログで拝見して心にとめていた、アルトマンの内面の分析みたいなものも描かれるかと期待していたもので、直接的に…

路地の子

「路地を歩く」*1に感銘を受け、上原さんのお父さんをモデルにした小説を。内側からしか描けない筆致。 「路地を歩く」にはイデオロギー関係なしに、儲かるためなら、共産党とも右翼とも手を組むお父さんのことがちらっと書かれていたが、それにはこういう動…

スタントマン

「You」*1が心に残ったリチャード・ラッシュ監督作品。映画という夢に取りつかれた人々の極端なこころ。(愛すべき感じではある。)ピーター・オトゥールの監督役が神々しい。[asin:B000064VLL:detail] *1:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20170909/1504933258

光年のかなた

1980年 アラン・タネ―ル監督作品 幻想的なビデオパッケージをtwitterでみかけ、あらすじをみたら、少し前にみた「2000年のジョナス【ジョナスは2000年に25歳になる】」*1 でコミューンの中で生まれる赤ん坊ジョナスと同じ名前の青年が主人公で、そ…

深ぼり京都さんぽ

グレゴリさんが20代前半の頃よく時間を過ごされた千本中立売界隈のコーナーが一番おもしろかった。(地図付き) 地元左京区では大豊神社の動物たち(像)の紹介がうれしい。 山科の栗原邸(旧鶴巻邸)の説明もおもしろい。(こちらのブログに写真多数あり…

何者

就活を機に集まった大学生たちの物語。「桐島、部活やめるってよ」*1の朝井リョウ原作とのことで、こちらもやはり、群像の心のうちが解き明かされるようなドラマになっていた。twitterが重要なファクターになっていて、twitterをしている人の方がリアルに感…

医師の闘病から読み解くがんを生きる新常識

TV

番組ページわかりやすく身近に感じられる番組作り。 柳生博さんの隣に座っている宮崎美子さんや、患者として参加しておられる方(話される感じがいいのでこの人に話が集中 ちょっとドラマ「anone」の阿部サダヲのようなところもある方←日記と時間が前後)へ…

アントニー・ガウディ、BABEL

勅使河原宏監督の「アントニー・ガウディ―」。武満徹の音楽が美しく、ビデオジャケットに記されているようにまさに映像詩的作品。宮口精二氏のナレーション(ごく最小限)。時代の潤沢さも感じる。サクラダ・ファミリア以外にもグエル氏のための仕事*1など紹…

破壊!

エリオット・グールド、いい!赤いニット帽とスタジャンを飄々と着こなして。(日本でたとえれば「俺たちの旅」の中村雅俊風味か?「俺たちの旅」は75年、この作品は74年。「セルピコ」(73年)のテーマとも重なるけれど、「セルピコ」より、親しみやすく…

ヨシタケシンスケさん

NHKの朝の「おはよう日本」でヨシタケシンスケさんという絵本作家の方が出てこられはっとする。 「もうぬげない」って絵本に惹かれた。考えすぎの魅力。 ほぼ日に特集あり。もう ぬげない作者: ヨシタケシンスケ出版社/メーカー: ブロンズ新社発売日: 2015/1…

モリのアサガオ

TV

2010年に放送していたドラマ。公式サイト。CSホームドラマチャンネルで今再放送をしている。本放送時の評判を思い出し毎週みている。 椿屋四重奏の「マテリアル」というエンディングに重ねて流れる次回予告。内に何か秘めた死刑囚ARATAのたたずまいとぴった…

隣りの八重ちゃん

昭和9年作品。大正生まれの父の幼き日のアルバムでちょうどこの頃の風景をみたことがあるが、そこから漂っていたものがこの映画からも感じられ驚いた。前年には国際連盟を脱退していたりしているのだから、どんどんとそう時代になりつつあるのだろうけれど…

世紀の光

憂鬱に襲われ、現実逃避がしたくてたまらなかった日に鑑賞。 科学的技術の現場である病院にやってくる僧の言葉、西洋医学的治療の場所でそっと行われるチャクラを刺激する治療法、緑に囲まれた土地の病院と都会の病院、二項になっている事柄が混ざり合い、輪…

...you...GETTING STRAIGHT

こちらもtwitterで評判をきいてみてみたが、とてもよかった。 学生運動盛んなころの物語。エリオット・グールド演じる主人公ハリーの、一時は革命闘士でもあったけれど、今は将来学校の先生になって若い芽を伸ばしたいという気持ちを持っており、そのために…

仮面の米国

ふや町映画タウンおすすめ☆☆☆(これが、かなり、おすすめ) 原作のロバート・E・バーンズ氏というのが、こちらのサイトによるとこれと似た体験をされていたということで驚いた。 原題は「I am a fugitive from a chain gang」ということで、「chain gang」と…

召使

ジョゼフ・ロージ―監督、twitterで教えてもらった「恋」*1が面白かったので、もう一つ紹介してあったこちらも。ドス黒くて楽しめた。イギリスの、微妙にワキの弱いぼんぼんのところにやってくるソツのない召使。じわじわっとご主人を翻弄し始める。ご主人に…

幻の活動大写真②

勤倹貯蓄〜塩原多助 (1925) 木村白山,10m. ◇活弁版 鞍馬天狗/恐怖時代 (1928) 山口哲平,29m. ◇活弁版 べんけい対ウシワカ (1939) 政岡憲三,13m.「くもとちゅうりっぷ」の政岡憲三さんの別の作品がみたくて借りてみる。「べんけい対ウシワカ」 弁慶にお連…

いらないねこ

「いらないねこ」!このタイトルのつけ方がヒグチさんらしい。猫の爪や小さなキバのような魅力。 「血を分けたこども」なんて枠を超えた無私の愛情。表情豊かで可愛らしくはれやかな、でも朽ちていく予感をも描ききるヒグチさんの画力。 そして綴られる美し…

宋家の三姉妹

今さら・・なんだけど、毘沙門堂のロケのことや中国の歴史がらみで気になってやっとみてみた。 歴史の流れはとても整理されて描かれていて理解が進んだ。話が単純化されているような気もしたが、そういうつくりの映画なんだろうな・・三姉妹の中でも孫文夫人…