2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

レザボア・ドッグス

先日wowowで放映していたので再見。自分の記憶を辿る旅みたいなたのしさも。大事な部分を忘れていたりして驚いたり。 オープニングの「LIttle Green Bag」とスーツ姿の連中が歩く有名なシーン(クリス・ペンだけ異質なのも)はもちろんいつみても楽しいが、…

幻の活動大写真 5

證城寺の狸囃子 塙団右衛門 1935(昭和10)年←s14のトーキー版収録 原作・脚色 魔須田和光 作画・監督 片岡芳太郎 闇の手品 1927(昭和2)年 原作 八木祐鳳 脚色・監督 鈴木重吉 茶目子の一日 1931(昭和6)年 作者 西倉喜代治「證城寺の狸囃子 塙団右衛…

満映とわたし

少し前に著者で、満映の編集者だった岸富美子さんが出てこられた満映の歴史を辿るテレビ番組があったが*1、こちらはそれがもっと詳しくなった感じ。岸さんの回想に石井妙子さんが取材を重ね、各章に解説も加える構成になっている。テレビではさらっと流され…

乙嫁語り 9

9巻読みやすかった。武骨な女の子パリヤが刺繍に悪戦苦闘する話だからか?先日映画「ウルガ」*1を観て遊牧民に近づいた気持ちだからか?著者の森薫さんもおっしゃっることだけど、ひとつそれを題材にした作品に触れたら、ちょっとずつ守備範囲広がっていく…

日本の路地を旅する

著者の言う「路地」とは、中上健次の描いてきた路地、つまり被差別部落のことである。同じ微妙な気持ちを共有している大阪の路地出身の著者だからこそできた、全国の路地のあとを訪ねその歴史を辿っていく本。路地には「寝た子を起こすな」という考え、いや…

暗黒街の弾痕

この映画が源流となっている映画(こちら参照)は割合みてきたのだけど本家本元をやっと観ることができた。 その後作られた映画の方は女性が道行の相手に惹かれる内面がわかるようになっているが、こちらは、そこのところは省略してあり、一緒に過ごしたい気…

クリエーターたちのDNA 〜ニッポンアニメ100年史〜

番組HP 今年のはじめに放映されたものの録画を今頃視聴。 ゲスト解説者として、アニメ評論家藤津亮太さん。日本最初のアニメ 下川凹天『芋川椋三玄関番の巻』、幸内純一『塙凹内名刀之巻』(別名『なまくら刀』)、北山清太郎『猿蟹合戦』の紹介からはじまり…

月影ベイベ 9

お盆に「鶴瓶の家族に乾杯」の「ひとり旅スペシャル 2017#1」というのをやっていて、富山のおわら風の盆で三味線を弾いておられる方のところを訪ねていた。なんでも故・三津五郎さんが風の盆の時にじーっとその方の三味線にききいっておられ、そこから親し…

イギリスのカントリーサイド舞台の物語。12歳の少年が学友から屋敷に招かれ、そこで垣間見る大人の世界。原題は「The Go-Between」。その方が、身分違いの恋の連絡係になってしまう少年の姿をよくうつしていると思う。手紙のやりとりが、恋する令嬢の母親…

大江山酒天童子

この夏文楽で鬼童丸と金太郎が闘う部分をみた。*1鬼童丸、牛の皮をかぶって待ち伏せしたというけれど、この映画では登場時、ひょうきんな音がついていて、親しみを持ってしまう。 朝廷の討伐ものって、勝った側の歴史というところがあるだろうなと、思いなが…

いのち・ぼうにふろう

三谷幸喜氏がコラムで言及しておられることがあり、また小林正樹監督の作品を最近ぽつぽつみはじめているので、鑑賞。タイトルロールからしてすごくスタイリッシュ。時代劇なんだけど現代に訴えかける反骨精神と緊張感。御用提灯が並んでいる川べりの図、最…

心の香り

京劇、朱旭おじいさんと子供の交流、私の好きな要素だらけ。京劇シーンは要所要所のみだけど、生きている。こういう風になったら盛り上がる、けれど、定型、みたいな方向にいかない良さ。自分の道を誠実に自分で歩む映画。心の香り【字幕ワイド版】 [VHS]出…

風の丘を越えて

中野翠さんの「中野シネマ」を読み返していてこの映画が取り上げられ、とてもほめてありみてみた。韓国の伝統音楽パンソリに関する物語だけど、きれいな声だけではダメ、恨*1をにじませ、さらには恨を超えた声を出せ、そのためには視力さえも犠牲にしても、…

ラグタイム

ふや町映画タウンやwindshipさんのおすすめ*1でみてみたが、本当によかった。第一次世界大戦前のNYにうごめく人々を同時に描いてそれがうまい具合に関連しあって堪能できる作品。話のつなぎ方もうまいし、イヴリン・ネスビット*2という実在した人物を演じた…

ジョギング渡り鳥

オフィシャルサイト新潟のシネ・ウインドという映画館に寄稿しておられる方とmixiで知り合いになり、発行している月刊誌をずっと購読している。新潟の方に行くことがあれば一度行ってみたいと思っていたが、ちょうどこの夏の旅行中行くチャンスがあり、おと…

傷だらけの映画史

監督で映画をみるクセがついているが、プロデューサーで映画をみるというポイントも必要だなと思わせてくれたのは春日太一さんの東宝の激動の昭和シリーズの解説。 この本もまずはウォルター・ウェンジャーというプロデューサーを一つのくくりとして話が始ま…

アブラハム渓谷

「ボヴァリー夫人」をベースにした物語とのことだけど、「ボヴァリー夫人」を読んだときはこちらが若かったこともあり、浅はかな夫人の様を少し楽しむような感じで読んでいたのだけど、この映画はどうだろう・・ずっと乾いている人の物語という感じ。生きて…

満鉄記録映画集 第8巻

ちょうど満映のドキュメンタリー番組*1をみた直後、ふや町映画タウンに満鉄記録映画集があることを知る。(こちら)第8集に収録されていたのは「娘々廟會」(1940)と「満洲大豆」(1938)。監修は財団法人満鐵会。 戦中からの「日本ニュース」をまとめたDVD「…

日本アニメーション映画クラシックス

国産アニメーション生誕100周年ということで、フィルムセンターの所蔵する日本初期のアニメーション映画が公開されている。(こちら。←ただしサイレント作品が多し。) その中で大藤信郎記念館という部分があるのだけど、ちょうど、わたしも大藤さんのアニメ…

プレミアムカフェ 中国映画を支えた日本人〜“満映”映画人 秘められた戦後〜

TV

番組HP下の記事*1でフィルムセンターの持永只仁展のことを書いたけれど、この番組でも持永さんが人形担当をされた「皇帝夢」という作品が紹介されていた。満州映画協会の日本人スタッフが東北電影公司の立ち上げに関わり、この「皇帝夢」というのは、アメリ…

十七人の忍者

twitterで近衛十四郎さんの「十兵衛暗殺剣」*1をすすめてくれた方によかったと感想を伝えたら、こちらもすすめてもらい・・確かに、近衛さんの映画だ。近衛さんは敵役であるにもかかわらず。味方の侍との意思の疎通もうまくいかず、たった一人で十七人の伊賀…

ウルガ

ニキータ・ミハルコフ監督、その昔みた「黒い瞳」も、偶然みた「愛の奴隷」*1でも、ほんわりとした語り口の中でカチっと光るものがあって、いいなあと思っている監督。この映画も、モンゴルの大草原から話がスタートし、自分とかけ離れてすぎているか?とい…

青い凧

この映画のことを話題にしている、淀川さんとおすぎさんの「おしゃべりな映画館 3」を読んでみたら、淀川さんは一緒に話題にされている「さらばわが愛、覇王別姫」*1にくらべて、この映画の話法の地味さがちょっと・・という感じで、おすぎさんは、誠実に丁…