2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

この広い空のどこかに

サンデー毎日7/2号に南池袋の古書往来座ののむみちさんおすすめの「日本映画知られれざる名作極私的ベスト10」という記事が出て、そこにのむみちさんの生涯ベストに入る映画として紹介されていてレンタル。多世代家族で暮らす私にはわかりすぎるストーリー…

かわいい琳派

琳派、今まで構えてしまうというか、装飾的なしかし縁遠い、という認識だったけれど、こちらの本は私のようなものにピッタリの視点で琳派の作品を紹介している。特に神坂雪佳のものはどれも好み。工芸デザインもされていたからかな・・かわいい琳派作者: 三…

プリンセスメゾン 4

池辺葵さんの作品、ここに出てくる「心のちっちゃい」人には理解されにくい、一見すると愛想のない人物だとか、自分にしか興味のない人だとかを愛情深く丁寧に描いているなあ。もちろん自分だって愛想があまりない人と接するのはこわかったり緊張したりもす…

昨日消えた男

長谷川一夫が遠山金四郎を演じる捕物時代劇。浪人みたいな感じで長屋に潜伏している長谷川一夫と仲の良い芸者に小富に山田五十鈴。ペロッと舌出したり軽快な雰囲気。ロッパ劇団の人たちが出ていて調子よく展開していく。「なるほどねー」「まったくだー」と…

さよならも出来ない

立誠シネマにて。 形を変えた「逃げ恥」というか、別れてから三年間、境界線を設けつつ一緒に暮らしている二人の物語。現代はいろいろな形態の暮らしがあって思慮深い二人がそこで足踏みしているのはあるだろうなという世界。連絡はほぼ連絡帳、連絡帳の前に…

ブルックリン横丁

mixiのふや町映画タウンのコミュで出会った方のブログで、赤狩りの中で裏切者の汚名を着てしまったエリア・カザン監督のことがとても気になる存在になっていた。 この作品はブルックリン横丁に住む儲かってない感じの芸人の父を持つ家族の物語。「こどもにミ…

ペレ

映画をみる楽しみをとても味わえる作品だった。19世紀末スウェ―デンからデンマークの島に移住し、お屋敷の農奴として働く親子の物語だけど、大好きだったベルトリッチ監督の「1900年」の空気、それをペレという少年を中心にもっと点描風に描いた北欧らし…

ヤング・アット・ハート

プロローグの、老父を中心に家族で音楽をたのしんでいるシーン、そのあと、バリモア家のエセル・バリモア*1が現実主義者でちょっとひねくれたことをいってみたりする、でも心根はしっかりした伯母役として登場するあたりまではとてもよいし、もちろんフラン…

エノケンの法界坊

横尾忠則氏と淀川長治氏の対談集*1で、おもしろいとほめてあってみてみた。横尾さんがとても大好きな映画らしい。歌舞伎で「法界坊」のお話を知っているとすんなりはいっていける(多分作られた昭和13年当時みていたひとは楽勝)だろうけれど、前知識ないと…

ストラングラー 猟奇マザコン絞殺魔

「歌っているのはだれ?」*1が心に残った旧ユーゴスラヴィア スロボダン・シャン監督作品。絞殺魔の話だけど基本コメディ。カーネーションを売るマザコン中年絞殺魔。ものすごく「サイコ」な感じなんだけど、なんか次々妙な展開をしていき、こわいというより…

カフェ・ソサエティ

公式HP ウディ・アレン映画、今度の舞台は、アステア&ロジャースが活躍している時代のハリウッド。ハリウッドとN.Y.の物語をうまく融合させて、ウディ・アレンの好きなものが散らべられた作品。今回、撮影ははじめてヴィットリオ・ストラーロが担当したとの…

激動の記録、幻の響写真館

「激動の記録」は昭和15年から26年までの日本ニュース。同封の元NHKエグゼクティブ・ディレクター山崎俊一氏の解説によると、日米交渉破局のあとの開戦の時代の日本と戦争を記録した映像は世界でこの日本ニュースだけだそう。国策に協力したとか、好戦的なニ…

襤褸の旗

eiga.com足尾銅山事件と田中正造は歴史でさらっと習ったのみの知識。先日三國さんの「にっぽん泥棒物語」*1を見て、引き続き熱い三國さんをみたくなってレンタル。 撮影監督宮島義勇氏。去年「裸の太陽」*2という国鉄の機関士の映画をみたとき、宮島氏の撮影…

初恋 地獄篇

寺山修司と羽仁進の脚本、監督は羽仁進。昭和43年。東宝のATGビデオ文庫というもので視聴。 お茶の間からの悲劇、町の暗部のSMショーめいた仕立ての撮影会、むなしき笑う会、新宿西口で孤独な人の為に売っている相槌テープなど、寺山修司の香りがすごくし…

猫ピッチャー 6

猫の「大きな声にびっくりしてしまう」「わらわれるの嫌い」「みているポイントが違う」などの特徴をうまく野球ばなしに溶け込ませてあって、もう自分のところの猫がこのミーちゃん並の活躍をしているところを夢想してしまう。 往年の野球選手神山氏がミーち…

きのこいぬ 7

きのこいぬは、動きもするし、スマホ画面で意思の疎通もできる(たどたどしくひらがな文字を打ってくる)犬のかたちをしたきのこ、という設定。ペット的なもののかわいさってゴーイングマイウェイさにもあるのかも・・きのこいぬ 7 (リュウコミックス)作者: …

叛乱

宮部みゆきの「蒲生邸事件」や、鈴木清順の映画「けんかえれじい」で触れたことのある二・二六事件。いまひとつわかっていなかったのだけど、ドキュメンタリータッチで撮られているので(ビデオに添付されていた山根貞男氏の解説によると、立野信之氏の原作…

アイヒマン・ショー

ちょうどアイヒマンの裁判のドキュメンタリー「スペシャリスト」*1を借りてきたタイミングでwowowでアイヒマン裁判のテレビ放映を担った人々の映画「アイヒマン・ショー」をやっていたのでみてみた。が、よくマスコミについていわれる、自分の思った画をとっ…

ニュールンベルグ裁判、スペシャリスト

このあいだからの第二次世界大戦もの探求の流れで、戦争裁判ものを二つみてみた。 「ニュールンベルグ裁判」の方は劇映画、「スペシャリスト」の方はアイヒマンの裁判のドキュメンタリー。「ニュールンベルグ〜」の方がもちろん見やすく構成されているが、「…

教授のおかしな妄想殺人

まあまあという評判もきいたが、もちろんウディ・アレンの最高傑作ってことはないだろうけれど、ウディ・アレンのエッセンスでできた万華鏡みたいな映画でちょうどいい按配に楽しめた。コンスタントにこうして楽しめる作品を作っていくの本当にすごいことだ…