2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ねことじいちゃん 2

ねこまきさんのコミックの中で一番好き。おじいさんのペースがゆっくりで、でもちゃんと自立していて。お料理上手とかいうところもいい。48ページまでカラーになっているけれど、電子書籍は全部カラーらしい。それまたいいな。ねことじいちゃん (2) (メデ…

平成28年 夏休み文楽特別公演

第一部 五条橋 解説 ぶんらくってなあに 新編西遊記 GO WEST第二部 薫樹累物語 伊勢音頭恋寝刃第三部 金壺親父恋達引第一部、夏休み親子劇場。こどもたちが熱心にみている。また体験させてもらっている時の必死の表情がいとおしい。字幕なしで、体感してもら…

お家に帰りたい

1989年アラン・レネ監督作品。カートゥーンとの組み合わせが予告編で流れていて、おもしろそうと思って借りてみた。アメリカの漫画家とフランス好きのその娘の対立を通して両方の文化の違いをテーマにしているようなコメディ映画。映画好きな人にはセリフで…

喜劇 急行列車

昭和42年 瀬川昌治監督。盛りだくさんで楽しい映画。なんといっても自分が子供のころ長崎に行くとき乗っていた寝台特急さくらが舞台なのがうれしいし、昭和を彩る出演陣、電車の風景が楽しい。あの直角っぽい座席。鉄道の好きな家族によるととても貴重な映…

その場所に女ありて

みることになったきっかけのキネマ洋装店さんのページにいちいちうなずいてる。冒頭、男言葉の「幹事長」なる女史に圧倒されたが、ずっとみているうちに違和感はなくなってくる。キネマ洋装店さんの書かれているとおり、きりっとした司葉子の女を武器にしな…

裸の十九才

永山則夫をモデルにした男を演じるのは原田大二郎氏。これがなかなかハマっていて、集団就職で東京に出てきた素朴そうな、でもどっちに向かうのかわからない青年という感じが出ていた。 なんといっても強い光を放つのが太地喜和子の出演シーン。 すごい眼力…

ひげとちょんまげ 生きている映画史

昭和3年から映画を撮ってこられた稲垣浩監督が映画界や撮影所、スターのこぼれ話を書いておられるコラム集。読みやすく、元気で臨機応変な撮影現場の空気がこちらに伝わる。 戦前戦後を生き抜いてこられた監督、戦前の映画事情など初めて知ることも多い。ふ…

早春

1970年 イエジー・スコリモフスキー監督作品。60年代から70年代のイギリス映画が好きな私にぴったりはまる映画。(西ドイツ、英国合作映画。)学校を辞め、公衆浴場で働く小鹿のような少年。みうらじゅんの名作「色即ぜねれいしょん」*1のような性へのあ…

Um Seculo de Energia

2015年 マノエル・ド・オリヴェイラ監督の短編。 水や光、風の持つ力を変換させてあかりをともす物語。この世に生まれたものにそれぞれ備わっている力に思いを馳せる。IMDb

女鹿

金持ち女が、町で絵を描いている若い女をひろってきて、シリアスなのかふざけているのかわからないタッチで話は展開。「虎は新鮮な肉を好む」*1と似た話法とずっと思わせておいて、そのタッチだから余計にシリアスに深淵が顔をのぞかせる。ジャクリーヌ・サ…

アメリアと天使

1957年 ケン・ラッセル監督作品 こちらのサイトによると、この自主制作短編映画が目に留まり、BBCに入社となったとか。とにかく音楽の使い方がすばらしい。オルゴール、アコーディオン、バロック風とかわる音楽がアメリアの気持ちに添っていて、映像のうつく…

はだかっ子

田坂具隆監督。昭和36年作品。小学校6年生の物語。映画自体もカラーになっているし、日本もだいぶ豊かになった感じはあるけれど、主人公の男の子は生まれる前に父親が戦死、木暮実千代演じる母親が、工事現場とチンドン屋の仕事のかけもちをしてなんとか生…

一つの問題二つの解決法

アッバス・キアロスタミ監督 1975年。もうこのお名前の新作の感想を書けないと思うと本当に残念だ。 小学生のもめごとを題材にまさに今世界で起きていることを考えさせられる映画になっている。やられたらやり返すの果て、はじめの問題より必ず大きくなって…

海月姫 16

美貌の総理の息子 蔵ノ介さん!この巻でやっと「クラゲ」と関係のある名前だ!と気が付く。遅いのだけど、作品がまとめに入っている感じで・・ 今、東村アキコさんのコミック、上杉謙信もの*1と、「東京タラレバ娘」*2と「海月姫」が並走している感じだけど…

Be Tartib ya Bedoun-e Tartib

キアロスタミ監督 1981年。 早い者勝ちとかいって並びもせずに何かにありつこうとした時、逆に時間がかかってしまうんだよ、っていうことをユーモアをまじえて表現。よい社会を作るとは?というヒントが。そうキアロスタミ監督の特長は、この共感できる感じ…

ほんとねこ

本屋さんで仕事をしてられるスズシロさんが、ブログに載せておられたものがまとまったもの。本に関すること、たとえばある著者を絶賛してしまって先輩がたくさん発注をかけられ、焦ってPOPを作るなどのお話がおもしろい。「重版出来!」*1とも重なるような。…

公僕 The Japanese Civil Servant

宮沢章夫さんの「ニッポン戦後サブカルチャー史」の中でこの本が取り上げられていたのでみてみた。 様々な仕事に携わっている国家公務員の仕事を、多分に演劇的に撮った写真集。もともと1997年4月から1999年3月にかけて時事画報社「フォト」誌で連載された「…

コーラス

アッバス・キアロスタミ監督 1982年 以前漫画家の方の書かれたものに、よい表現というのは、この人がこううい状況になってこう思ったというのをくどくどしく説明するのではなく絵で表現できることというようなことが記されていてなるほどと思っていたのだけ…

百円の恋

よかった。安藤サクラ!ものすごく共感した。もうみじめな部分は遠慮なくみじめに描いて中途半端な救いなんかなくて潔い。だからといって人のやる気をそぐ映画でなくむしろ逆。セリフ遣いや設定の細やかさも素晴らしい。 音楽も良し。 百円の恋 [DVD]出版社/…

2000年のジョナス(ジョナスは2000年に25歳になる)

1976年 アラン・タネ―ル監督作品 1968年の5月革命を経た後の、そこからどうする?という頭文字Mの様々な人々のそれぞれの気持ちを描いた映画。一番好きだったのはスーパーのレジでのごまかしで老人たちをこっそり応援しているレジ係ミウ=ミウとおじいさん(…

放課後

アッバス・キアロスタミ監督(1972) 14分間の中にキアロスタミ監督のエッセンスがつまっている。まず映る学校で失敗してしまった少年の顔の大写し。この表情をみただけでキアロスタミ監督だ!とうれしくなる。もうここで観る人の心をつかむ凄さ。 路地と犬、…

5 five〜小津安二郎に捧げる〜

アッバス・キアロスタミ監督作品(2003) 言葉のない映像と音だけの世界。波にさらわれ変形していく木切れ、それぞれに生活し、ちょっとずつ関係を持っていく人や犬、海鳥の様子を眺めている海辺の風景、かえるのような鳴き声が響き合う夜の水辺・・そして朝…

坂本九 7時にあいまショー

NHKの「トットてれび」で、錦戸亮氏演じる坂本九の雰囲気が本当にみなに愛されている感じで、その最期を知っている自分はあたたかな歌声でなにか一杯になったりしたのだけど、ほんものの坂本九氏のテレビ歌謡ショーがふや町映画タウン在庫にあったので、借り…

ピースオブケイク

部分部分のリアリティがあってどうなるのかなと惹きつけられるのだけど、作品全体としてはどうかな。。ちょっと長く感じた。多部未華子が時の経過を感じさせるのは大変上手だと思ったが。。話の筋としてはよくわかるのだけど、どこをどうすればよいのか。。…

GBパーク

オノさんはほんとに年のいった男性の魅力をすてきに描く人だなあ・・ゲートボールに集う人々の日常。ほんとはこういうのがかっこいいんだよ、っていう揺るぎない気持ちが、「リストランテ・パラディーゾ」のシリーズよりポップなタッチで描かれている。GBパ…

略称連続射殺魔

足立正生監督(1969)なんともシャープでがつんと来る。永山則夫が転々としてきた土地の風景。北海道、青森、東京、横須賀、京都、梅田等々・・最小限のナレーションで風景を追うだけでなく、その画の構成がぐんと胸に迫る。 映画の中でも出てくるけれど…

ヒッチコック

「サイコ」誕生秘話。 ヒッチコック劇場の音楽からはじまって大いに期待したし、役者陣(アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソンなど)はしっかり仕事をしているのだけど、なんだろうちょっと物足りなかった。さもヒッチコックの…

イラストレーター安西水丸展

美術館「えき」KYOTOにて (紹介はこちら) 一番驚いたのは安西さんの大学の卒業制作。映画「オーシャンと11人の仲間たち」を何枚かの絵で表現したもの。一コマ一コマがジャズのレコードジャケットのよう。仕事されてからの安西さんの絵とは全く違って洒落…

主婦マリーがしたこと

1988年フランス映画。(1990年日本公開)。当時新聞評をみていて、関心があったけれど、ようやく鑑賞。問題作的なイメージを持っていたが、重くて硬い描き方ではなく、すぐ隣の主婦マリーの出来事としてすんなり入ってくる面白さ。監督クロード・シャブロルは…