2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ロング・グッドバイ

82年に出た和田誠さんの対談集「映画に乾杯」で、和田さんが羽仁未央さんとこの映画について話をしておられ、和田さんにとってのフィリップ・マーロウはハンフリー・ボガードだとおっしゃって、羽仁未央さんはこの映画で演じたエリオット・グールドが飄々と…

おんなふたり、ローカル線めぐり旅 うっかり鉄道

女性編集者と二人、自分で設定されたルールで回る鉄道の旅。ネーミングどおり、うっかりした出来事も起きるけれど、そういう時にこそその人の人柄がみえるもの。 自分で設定したルールにも、ケレン味がなくて、でも、読者も楽しめるように工夫して書かれてい…

ひとりごはんの背中

2009年1号から2011年42号に連載された「モーニング」に連載していた「ひとりごはんの背中〜独身男女の自炊と暮らしの手帖」という連載から抜粋し、加筆・編集したものとのこと 一人暮らし生活している人の部屋でごはんを出してもらって食べるという企画、な…

「絵本合法衢」 立場の太平次

平成27年大阪松竹座左枝大学之助・立場の太平次 … 片岡仁左衛門 うんざりお松・弥十郎妻皐月 … 中村時蔵 田代屋与兵衛 … 中村錦之助 田代屋娘お亀 … 片岡孝太郎 松浦玄蕃 … 市川男女蔵 高橋瀬左衛門・高橋弥十郎 … 中村歌六 太平次女房お道 … 片岡秀太郎 …

しばおっちゃん

「まめねこ」の作者が描いた家庭持ちの中年サラリーマンは柴犬化するというお話。ソフトバンクの犬のお父さんより冷遇されている感ありでなんだかかわいそうになってしまう。 ラインやtweetでしかコミュニュけーションがとれない新入社員の佐倉の姿みてると…

超高速!参勤交代

「七人の侍」や「十三人の刺客」*1などの日本映画の名作の良さを現代人に受け入れやすいポピュラーな形で表現した映画のように思った。 東北の小藩が舞台になっているこの映画、今起きている事への申し立てを時代を変えて描く手法は、昔の歌舞伎などにも相通…

ラジオ・デイズ

1987年作品。公開当時20代だった私は、いつものウディ・アレンの大人同士のドロドロがなくておとなしい映画だなと思ってしまっていたのだけど、今回もう一度見て、その時よりずっとずっと楽しめた。俳優陣や音楽の贅沢さ、フェリーニの「8 1/2」をウディ…

コンバット2

「コンバット」は色々な会社から出ていて、「2」といっても収録されているのがそれぞれ違うらしい。今回見たのはポニーキャニオンが販売していたもので、第一話 撃てない兵隊 バート・ケネディ脚本監督製作 第二話 爆発一秒前 ロバート・アルトマン監督作品…

ヒッチコック劇場 3,4

第三集 酒蔵 1956年 バアン!もう死んだ 1961年第四集 女性専科第一家 中年夫婦のために 1960年 ぺラム氏の事件 1955年なんとも楽しいTVシリーズ。こっちのコンディションに関わらず楽しんでみられて、にやっとさせられるこのまとめかたのうまさ。「酒蔵」、…

東京タラレバ娘 3

巻を追うごとにおもしろくなっている気がする。東京が舞台のSATC。「主に泣いてます」*1と同じような事態が起きていても、あっちみたいに非現実に陥ることなく、リアルで好ましい。踏み込んでいておもしろい。東京タラレバ娘(3) (Kissコミックス)作者…

マキーナ

新しい才能に興奮する。アンドロイドと小学生たちの物語だけど、小学生たちの人物設定がしっかりしていておもしろい。強気の女子のリーダーなんてヒールっぽいキャラクターもとても魅力的に。(強い視線に猫に似たものを感じる。猫もたくさん出てくるので、…

お家賃ですけど

能町さんの書く仕事が軌道に載る前の、実家を出て牛込の一人暮らしをし始めた頃からの暮らしの話。住まいの描写の丁寧さ、そして贅沢でなくても古い建物をきれいに磨きながら維持している大家さんを描く愛情のこもった筆先などから能町さんの生きる姿勢が伝…

フットノート

wowow番組解説より 片や、世間的な評価には恵まれないまま、こつこつと地道に学問に励んできた父親と、他方は、華々しい受賞歴を持つ出世主義者の息子。ともに同じ学問分野の権威にしてライバルであり、微妙に険悪な対立ムードも漂う大学教授の親子2人の間に…

ねこの秘密

「わたしのノラネコ研究」*1の山根さんの新書。学際的なアプローチによるねこの話。読んでいてとても楽しい。 開催された北九州いのちのたび博物館でのまるごと猫展も、博物館的なアプローチのみならず、文化面からやまちの活動(長崎の町ねこ調査隊塾など)…

ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー

小林信彦さんの「コラムの逆襲」を読み返していたら、少し前にみたビリー・ワイルダーの「ワン・ツー・スリー」*1で、しゃべりっぱなしの精力的な演技をみせていたジェームズ・ギャグニーのことが載っていて、この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞とあっ…

ケス

こちらの記事を拝見していて、「ザ・ロイヤル・テネンバウム」にも影響を与えている「ケス」とはどういう映画なのだろう?と思いみてみた。 イギリス映画らしい苦味。イラン映画の「友だちのうちはどこ?」級の先生の厳しさ。こちらの方はその振る舞いが尊敬…

ヒッチコック劇場 1,2

1巻 「生と死の間」1955年 「神よ許し給え」1961年2巻 「兇器」1958年 「亡霊の見える椅子」1959年懐かしいオープニングのとぼけた音楽とヒッチコックの横顔。みたビデオは字幕版だけど、日本のテレビでしていた熊倉一雄さんの吹き替えも懐かしくて・・ネ…

ジゼル・アラン 5

細かく描きこまれた絵。これをすすめてくれたひとは内田善美さんが好きだったけれど、なにか似通ったものを感じる。こっちの方が元気な感じだけれど。 「100分de名著」の「斜陽」の回をみていると、「斜陽」に出てくる母親が「生れついての優雅さ」という言…

風の歌が聴きたい

実在の聴覚障害を持つ夫婦をモデルにした物語。ビデオジャケットにも載っているのだけど、聴覚障害についてのみ語った映画でなくて、もっと普遍的。大林監督らしく家族の思いを細やかに、ユーモラスに描いていて、障害について描いているからという構えなし…

団地ともお 21

先日仕事場に小学生がやってきて、「『団地ともお』みたいな状況だな・・・」と思った。小学生の思慮の限界、大人とは違う振る舞いに驚かされるところをうまく作品にしているなとつくづく思う。 驚くような想像力で、飛躍したお話でも、「ともおならやるかも…

小豆島の東洋オリーブのレモンカード

小豆島の東洋オリーブのレモンカード なんともマイルドでおいしい。朝からうれしい気分。関心空間にも東洋オリーブのマヨネーズのことが載っている。

フレンジー

ビデオジャケットより、 「もうヒッチコックも限界だ」と囁かれだしたヒッチが、久方ぶりに母国ロンドンに帰り、「ヒッチコック復活」を世界中にアピールした、晩年の傑作 文句なしにおもしろい。ぱっと音を消したり、見せるところを区切る効果、はさみこま…