2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

六代目勘九郎襲名披露公演 平成中村座 一條大蔵譚

以前wowowで放映していたもの 襲名披露という格の高い公演というのもあるのか、浄瑠璃の文言がメインで、役者さんのせりふも浄瑠璃風。文楽をみているような錯覚に陥った。動きも人形浄瑠璃風なところも多かった。

不機嫌なメアリー・ポピンズ

「日の名残り」*1を読んだ後、確かアマゾンで「この本を読んだ方はこちらの本も・・」みたいなリストのところに載っていてこの本に出会った。「眺めのいい部屋」「大いなる遺産」「コレクター」*2などの作品は映画ではあまり表現されていなくても階級の問題…

長距離ランナーの孤独

この物語を確か高校生の時に読んだと思う。その時より、今、もっとこの物語の主人公の気持ちがわかるようになっている。主人公は感化院に入れられるのだけど、わけのわからない暴力とか違法行為の物語でなく、ごく理解できる平面にいる。 友人と遊びに行った…

ラルジャン

すごく衝撃を受けた。この人間界を支配しているものとは?というような気持ちになる物語。ポンと染みのように落ちた小さな事柄につき動かされさらに人を巻き込んでしまう人間の姿。静かに整った澄んだ空気の中淡々と進んでいく作品の中なので余計にこわい。…

平成中村座 通し狂言小笠原騒動 (2012年4月)

以前wowowで放映していたもの。 時代物特有の重々しい言葉遣いが心地よい。平成中村座の特徴なのか、話はわかりやすい。 勘九郎さんが珍しく犬神兵部という悪役を演じているところをみたが大変迫力があった。今までひとのよい役とかをみることが多かったが、…

妻二人

今読んでいる金井美恵子の「映画、柔らかい肌。映画にさわる」(平凡社刊)に 岡田茉莉子も小津や吉田喜重作品に比べて、成瀬作品(と、増村保造の若尾文子と共演した『妻二人』'67年)においてキラリと小さく輝く という文章がある(p406)のだけど、それがよ…

牡丹燈籠

2011年5月明治座花形歌舞伎で演じられた「牡丹燈籠」、wowowで放映したものをみる。wowowのページ とてもわかりやすくひきこまれる。その中で、七之助さんの声色には古典の響きを感じさせ、わかりやすさとの共存がまたすばらしい。はかなげなお姫様の感じと…

お嬢吉三

先月まつもと歌舞伎で「三人吉三」をみた*1もので、映画化作品もみてみた。登場人物は同じで、部分部分歌舞伎で出てきたエピソードが出てくるけれどお話はかえてある。歌舞伎のかっこいい形とかをみたあとなので、どうしても歌舞伎の舞台が恋しくなってしま…

土曜の夜と日曜の朝

プロデューサーのトニー・リチャードソンはイギリス映画界のニュー・ウェイブの一員と呼ばれている。アラン・シリトーの原作でアルバート・フィニーが主人公の怒れる若者系の話*1だけど、ひとつにはアルバート・フィニーの持つ雰囲気、また、社会に怒ったり…

日の名残り

映画よりイギリス流の皮肉っぽい笑いの要素を強く感じた。主人公の執事、映画版*1より辛辣に描写されていると思う。思わず笑ってしまうようなところも原作の方が力が入っている。日の名残り (ハヤカワepi文庫)作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄…

ちはやふる 25

思い返せば、前の巻、周防名人や詩暢のバックグラウンド、弱点などの話などで、華やかな舞台の裏側が描かれていたが、この巻でそれがダークサイドにふれすぎないでとにかくよかった。ちはやふる(25) (BE LOVE KC)作者: 末次由紀出版社/メーカー: 講談社発売…

恋のスイング合戦(原題 SECOND CHORUS)

アーティ・ショウ楽団というところにアステアと友人が入ろうとしてのドタバタに、チャップリンのパートナーとして有名なポーレット・ゴダードがからんだもの。アーティ・ショウという人は実在のジャズ・クラリネット奏者で、wikipediaによると 「ジャズ界に…

戯作三昧・一塊の土

ものすごく久しぶりに芥川龍之介の作品を読んだ。言葉遣いの美しさにうたれ、それでいて読みやすいところが意外なほどだった。芥川に対して、勝手なイメージで、すっとして、離れた所から人生を描いているというようなイメージを持っていたのだけど、「一塊…

アナと雪の女王

ずっと話題に乗り遅れ続けてきたけれど、夫の実家でついにみることに。お盆に集まった家族と「ええっ?」とかつっこみもいれつつ、また小ネタ等でウケつつみるのにぴったり。最近のディズニープリンセスの顔、あごの角度が急にとがっているというか、なんか…

萬斎でござる

変な謙遜とかなくて気持ちのよい本。芸とちゃんと向き合っている。狂言に興味を持った。 同時期に読んだ「統合失調症がやってきた」と「萬斎でござる」、両方とも人間として生まれてきて与えられた使命を与えられた時間でどう生きるかということを考えさせら…

統合失調症がやってきた

おふたりのことは最近テレビでみたことがあった。「松本ハウス」という漫才コンビで、ハウス加賀屋(はいっておられたグループホームからつけられた芸名らしい)さんが統合失調症にかかり、10年くらい活動停止していて2009年にコンビを復活したこと。「電…

すべての些細な事柄

ビデオパッケージより抜粋 フランスのブロワの「ラ・ボルト」は、フェリックス・ガタリと精神科医ジャン・ウーリーが1953年に設立した開放病棟のクリニック。そこで、毎年患者、看護人、医師たちが力をあわせて演劇の上演を行う。今回の出し物はゴンブローヴ…

かくかくしかじか 4

信頼されてその場を得て・・・でも外の世界に気が向いて・・・そこのウェイトを減らしていく・・・でも基本を教えてもらったのは・・・というのは普遍のテーマだな・・・とにかく東村さんは要点の紹介仕方がとてもうまい。たとえばパーティで知り合いになる…

グレイ・フォックス

ビデオパッケージより 西部史史上名高き紳士強盗“グレイフォックス”として“手を上げろ!”の名ゼリフと共にその名を馳せたビル・マイナーの実話に基づく映画化。 だいたい“手を上げろ!”という言葉が無用の殺生を避けるため、ということにこの映画をみてはじ…

団地ともお 7

小学4年生って本当にいい年代。こどもの最上級の姿っていうか、ややこしい思春期的な感じはまだで、でもかなり自分の頭で考えて行動して・・・ 団地をうろうろしている犬のエピソードが心に残る。 切なさややるせなさも内包しつつその中で生きていくいい空気…

明治座五月花形歌舞伎2013 実盛物語/与話浮名横櫛

wowowで放映していたもの。番組情報はこちら。9月にも再放送するらしい。先日から片岡亀蔵さんが気になっている。プロフィールこちら。プロフィールにも書かれているように敵役だけどどこかユーモアが漂う。口跡もしっかりしているし、スパイス的にくっくり…

平成中村座 於染久松色読販

以前wowowでやっていた2011年11月から12年5月の平成中村座ロングラン公演より、壽初春大歌舞伎の演目を録画したものをみる。 (番組情報はこちら)松本でみた七之助さんの美しい女形*1が懐かしく、その気持ちにちょうどこたえてくれたこの公演。 検索すると…