2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ウディ・アレンの夢と犯罪

原題は"Cassandra's Dream"。タイトル、はじまりの方のユアン・マクレガーの投資話や森で出会った女、コリン・ファレル演じるユアンの弟の趣味であるばくち、すべてが悲惨なことに突き進みそうでみていてつらいものになるのでは・・という気持ちだったのだけ…

双調 平家物語 6

学校で保元・平治の乱を習った時、一族がばらばらのチームに属して組み合わせを覚えるのがややこしいぞ・・位の感じだったけれど、これを読んで「そういう経緯で・・」と腑に落ちていく。 この本の中で世の中は乱世への序章が感じられるけれど、欲にまみれた…

セルロイド・クローゼット

アメリカ映画の中で同性愛や同性愛者がどう取り扱われてきたかその変遷を、ハリウッド関係者へのインタビューや映画の引用で描いたドキュメンタリー。出演者にさえ告げずに見る人が見ればわかるような形で描いたりした時代からなにか滑稽なものとして描かれ…

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

ミュージカルになったり80年代にリメイクされたりしているけれど、もともとのオリジナルはこの1960年版らしい。緻密に作られたというよりは着想のおもしろさがキモという感じの映画。 食虫植物の突然変異で人間を食べちゃうという話なんだけど、植物の…

告白

なんだかコワいらしいという評判をきいて身構えてみたけれど、人間のある側面を強調して描けばこういうことになるよな、という感じ。こわがるというよりは、どこかにやにやしながらみてしまった。 松たか子はこういう固着っぷりとしれっとした面を併せ持つ人…

怪談牡丹燈籠 鬼火の巻 蛍火の巻

中川信夫監督に関心をもって借り始めているのだけど、「四谷怪談」とこれでは、ホラー映画を立て続けでしんどいかなとレンタル時には危惧したものの、「牡丹燈籠」というのはもともと中国の怪談を三遊亭円朝が翻案落語にしたものらしく、おはなしとして妙に…

双調平家物語 5

蘇我馬子あたりからこの「双調平家」ははじまるものでこのペースでいくと平氏が出てくるまでかなりかかりそう・・と思っていたが、今や頼通、後三条天皇・・そろそろ近づいてきた。父と子の相克である「院政」を歴史的心理側面から壮大な物語として仕立てて…

東海道四谷怪談

ホラー系は苦手なんだけど、いわれもない人が巻き込まれた挙句ひどい目にあうような最近のイヤな感じのものではなく、因果応報的な世界なのでその辺安心してみていられる。はじまりから黒子を登場させたり、窓の向こうに透けてみえるような物語的映像の工夫…

木枯らし紋次郎

名ゼリフは知っていたもののTVシリーズ含め紋次郎をみたことはなかった。ただニヒルな人なのかと思いきや、先般見た高倉健の役どころとちょっと似通う、黙って耐えて最後に・・という人物で、70年代の映画のヒーロー像という気がする。嫌な仕事も黙々と・…

昭和残侠伝 死んで貰います

藤純子はこの映画ではいわゆるかわいい女。健さんを一途に愛する芸者さん。彼女の話題になったとき、私はどうしてもすっとしすぎて入り込めないというと、男の幻想が作り上げた姿、っていう部分があるからではないか?といわれたのだけど、確かに。。この映…

ラースと、その彼女

amazonの検索をかけたら「空気人形」とこの映画が並んでいる・・確かに同じリアルドールを扱ったものだけど、扱いはえらく違って・・ 最初の、世界と距離を感じているラースのありさまにはすごく共感して、もうただごとじゃない感じで見守った。だんだんと心…