2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

最後の宦官 李連英と西太后

壮大なタイトルに物怖じするが、タイトルのものものしさとは一線を画す地に足ついた表現。主人公役の李連英を美化せず、また力みかえることなくあの時代を描いておりなかなか掘り出し物的によかった。李連英役の姜文、監督作品の「鬼が来た!」でも衝撃を受…

双調 平家物語 3

双調の意味がだんだんわかってきた・・・ジャズセッションのように日本の歴史と中国の歴史が音色を重ねているからなんだな。。学校時代にわくわくした長屋王のあたりのごたごた話がそろそろ顔を出し、またこのあいだ大仏建立のテレビドラマでちらっとみた聖…

奥様に知らすべからず

昭和12年渋谷実監督作品。斎藤達雄が田園調布の邸宅に住む恐妻家、坂本武が麹町に住む旦那役。(私の好きな吉川満子が奥さん。こっちの夫婦の方が江戸風、斎藤家はモダン、という感じになっている。)二人とも「クラブ」と称する場所では大いに気勢をはい…

華麗なる女銀行家

ロミー・シュナイダーは堂々としていて魅力あったし、第一次世界大戦後のモードみたいなのはすごく表現されていたが、映画総合としてはどうなんだろうか・・女銀行家の二面性も描いてはいるもののもう一つ深まらないというかちょっと薄っぺらかったような。…

ねこタクシー

すごい気合の入った名作、とかではもちろんないし、ストーリー展開など全体にゆるい感じがするけれど、今の時代にあった感じを職人芸っぽくまとめた映画、っていう感じ。カンニング竹山は演技とてもうまい。すっかり登場人物と同化していて、みていて気が散…

ルードヴィヒ

ルートヴィヒ — 神々の黄昏 完全復元版 [DVD]出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 1997/03/19メディア: DVD大河ものに身をゆだねる至福の時間。とてつもないものを作っていく青年の心の持ち主として描かれているルードヴィヒが愛おしい。ロミ…

ボッカチオ

「NINE」をみて中途半端なイタリア風がすごく気になって、お口直ししたくなり、本物のフェリーニをみることに。フェリーニだけでなく4人の監督によるオムニバスなんだけどとってもよかった。 デカメロンの現代版のお色気タップリコメディーとビデオジャケッ…

三国志 26

戦う前から、勝ち戦なら勝ち戦の気配、負け戦なら負け戦の気配があるものだから意表を突かれ驚く、ということはない。でも負けの予感の中読み進めるのは結構つらい。 趙雲って安定感のある武将だなぁ。よさがじわじわっと伝わる。三国志 26 (愛蔵版)作者: 横…

さまざまなエンディング

この本が出たのが平成二年。そのちょっと前に出た「虹のヲルゴオル」っていう映画スターと映画について書いた橋本さんの本がとてもわかりやすかったため同じようなものを期待して買ったらこっちはいかにも「エスクヮイア」連載っていう感じのかっこいいけれ…

浅草キッド

amazonの検索で出てこないけれどこんな映画。 篠崎誠監督の作品は「おかえり」というのをみたことがあるのだけど、すごく切なくて・・日々を大切にしたい気持ちでいっぱいになって・・でもよくある感じの変な音楽で盛り上げるタイプでなく、ごくごく淡々と物…

三谷幸喜のありふれた生活 9

「わが家の歴史」や「新・三銃士」制作の頃。体調の悪い時でも読んでいてほっとする文章。朝日新聞読者向けでお行儀がいい。(基本昔の俳優さんをすごくたてたりお行儀いい人だけど・・)このシリーズずっと読んでいるけれど和田誠さんのイラストもこのコラ…

NINE

ダニエル・ディ=ルイスが「8 1/2」をテーマにしたミュージカルに出演・・という企画をきいたときはワクワクしたんだけど、その後そんなにいい評判をきかなかったような気もするこの映画、確かに「8 1/2」をなぞってはいるけれどくらべると「8 1/2」の良さが…