2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

痴人の愛

谷崎潤一郎の原作をかなり換骨奪胎してるかな?小沢昭一扮するドMのご主人さまが撮る大楠道代のナオミの写真は60年代モダン!って感じですっごくかっこいい。とっかえひっかえのナオミのファッションも。(ビキニっぽいのとかも)ほんとナオミは猫そのもの…

みかへりの塔

教師も寝食を共にし日々の生活の中でいろいろ問題のあった児を矯正していく施設の話。こどもの活写には定評のある清水宏監督らしく、深刻ぶらずこどもがこどもとしてごく当り前に生きている感じがし、特殊な話でなくもっと広くこどもを育てるっていうことを…

笠智衆の様子にお風呂の怪我がこんなにまでなるのか・・?などと思いながらみていたのだけど、調べてみたら傷痍軍人の設定だったらしい。それなら合点がいく。この映画でも清水宏監督作品に出会えた喜びを大いに感じた。信頼できる人がほめているものはちゃ…

古書 善行堂

点子のブックカフェさんで、善行堂さんの記事を読んで、リンクをたどっていくとうちから近いことがわかり行ってみた。善行堂さんのお名前はガケ書房の古本の棚で拝見したりしていたのだけど、現地に行ってみて、ジャズがながれる居心地のいい空間に自分に興…

有りがたうさん

大好き。上原謙が運転する山間のバスに乗ってくる人々が人生のいろんな局面を表現しているのだけど、それに対する皆の対応が、心がこもっているのだけどしつこくなくて。その感じは上原謙に代表されていて、男前で礼儀正しいのだけど、天然、みたいなところ…

日本文学者変態論

しょっぱなの夏目漱石なんかは、漱石についてこっちもある程度知識があるので、漱石をネタに言葉遊び?みたいな感じもあったのだけど、どんどんこちらがあまり事情を詳しくしらない人が出てくるにつれ、大変面白くなり、これを読んでから放り出していた高橋源…

革命前夜

ベルトルッチ22歳の時に撮った自伝的作品。若い時の作品らしく、観念が先にいっている感じ。革命的精神に惹かれながらもひとたび革命が起きてしまったらそこでは生きていけないブルジョア出身の自分、しょせん革命前夜しか生きられないんだ、というテーマ…

殺し

ベルナルド・ベルトルッチの処女作。ローマの公園で娼婦の死体が発見され、殺害推定時刻にそのあたりにいた青年たちの取り調べで話が進んでいく。じっとみていたら、それぞれの証言がかみあう場面もでてくるのだが、はじめは、それぞれの話がどうつながって…

按摩と女

清水宏監督って評判はきいていたけれどなるほど、さりげなくていい。くどくどしくなくて飄々としていていい感じ。按摩さんの暮らしなんかも、このごろの日本映画なら一面的でつまらないものに描きかねないのに、いろんなところを持っている人、っていう風に…

約三十の嘘

なんやかやいっても椎名桔平ってみているものを魅了するものを持っている。大谷健太郎監督の、こまやかな機微の描き方って「とらばいゆ」の時もキュンとしたけど、今回もよかった。クレイジーケンバンドの音楽もいい。約三十の嘘 特別版 [DVD]出版社/メーカ…

ホット・ロック

「ジョンとメリー」「ドレッサー」の2作で好きになったピーター・イエーツ監督作品。丁寧でおもしろい描き方がいい。上品な鼻歌を歌いながら日々を暮らしているようなテイスト。小さい時「スティング」をみて感じたような、さわやかな感じを持つ。(ロバート…

【映画】百万円と苦虫女

はじまりのところ(つまり蒼井優扮する佐藤さんがいろんな場所を転々とし、百万円貯まったら違う場所に行くきっかけとなった説明のあたり)をみている時は、その原因をつくった人々がわかりやすすぎることに抵抗感をもったけれど、そしてどこの町にもいるイ…

ビロウな話で恐縮です日記

三浦しをんさんのブログをまとめたものだけど、当たり前ながら作家としてのクオリティをちゃんと保ったもの。(よくある短文ばかりのブログとは違う。)しをんさんの考え方がしっかりしていることにいつも頼もしさをおぼえる。(世代的に下だから。)それで…

1900年

上下各巻で2時間半ずつくらいあるが、物語にぐいとひきこまれ、長く感じない。1900年の同じ日に生まれた地主の子供と、小作人の子供を軸に近代イタリアの歴史を描く大河ものなのだが、実に生き生きしていて、歴史ものをみて時々起きる退屈さ(昔のこと…

それでも恋するバルセロナ

ペドロ・アルモドバルの映画とかでみているカラフルなスペインがすっかりたそがれ時のようなウディ・アレン色なのにまずびっくりした。ストーリーはウディ・アレンの映画によく発生する恋愛のもつれ、みたいな感じが軽妙に描いてあって楽にみられるのだけど…

ひき逃げ

出世をかけたプロジェクト、浮気など大人の事情で起きてしまうひき逃げ事故。とても俗なるテーマだけど、だれない演出で最後まで目が離せない。高峰秀子のゆれ動く心の表現、メリハリのある演技がすばらしい。また脇を支える俳優さんたちの職人的演技もいつ…