2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ユメ十夜

一夜ごとに違う監督のオムニバスって一度にいろんな監督の作風が味わえて楽しい。松尾スズキの、すごく元気でおもしろく、何度もみる。西川美和のも、なるほどらしい感じ。怖いもの作っているってイメージの清水崇監督のをみて、ホラーってそういえばどっか…

悶絶スパイラル

しをんさんの小説よりエッセイの方がわたしはさくさく読み進むことができるのだけど、小説の方がやっぱり渾身の作品って感じもあるかも。。そうはいっても、しをんさんに怒ってもらってすっとすることしばしば。悶絶スパイラル作者: 三浦しをん出版社/メーカ…

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

「キル・ビル」風というか、ほんと劇画のような映画だった。説得力というよりかっこよさ、おもしろさが身上というか。。伊勢谷友介は清冽な存在感ですごい。桃井かおりさまは英語ではいつもの雰囲気がもうひとつでない気もしたが、見せ場の決まりように感嘆…

佃 二葉

先日新潮文庫の「てんやわんや」の表紙の絵をみてすごくひかれるものを感じる。古風なのに新しい感じが、とてもすばらしく、手に取りたくなるような雰囲気に満ちていた。絵を描いておられる佃二葉さんというお名前で調べてみたら、私の大好きな「ニッポンお…

図鑑に載ってない虫

夏の空気いっぱいの映画。真夏のばかばかしさ、秋の近づく寂しさ・・それらをすごく感じた。松尾スズキ氏の出演によってか、松尾氏の書いたものみたいな結構エグみのある笑いもあるのだけど、松尾氏の演じた少々得体のしれない人物はどんどんチャーミングに…

妻として女として

タイトルだけきいていたらなんか女性の道を説く古い映画みたいだけど、そんなんじゃなく、三角関係の中での本音トーク、銀座のたたずまい、家のたたずまいなどがとてもとてもよかった。たぶん後楽園遊園地じゃないかな?と思われるようなシーンもとっても興…

いらつく二人

三谷幸喜と清水ミチコのラジオ番組*1を加筆再構成したものだけど、構成もうまくて読む楽しさがとてもある。同時期に買った三谷幸喜氏の「役者気取り」と話題としては重なるものもいくつかあるのだけど、そういう話題も清水さんのツッコミがおもしろくて、より…

舞妓Haaaan!!!

植木等さんの最後の映画出演となったカットがこの映画に出てくるときいて、はじめなぜ植木さんが?と思っていたのだけど、この作品をみてよくわかった。最初の方の話の展開は植木さんのサラリーマンものを現代に移植した感じ。アップテンポな和製ミュージカ…

驟雨

小津監督の映画に出てくる原節子さんは立派過ぎる気がするときがあるんだけど、この映画の原節子さんは愚痴っぽくってそこら辺にいる奥さんって感じがナチュラルでとってもいい! 「驟雨」ってタイトル、倦怠期を迎えた夫婦、というあらすじからどんなに重苦…

田宮二郎、壮絶!

著者は松竹のプロデューサーで、もともと大映スターだった田宮二郎を使わせてもらうまでの経緯が書かれているところも割合長く、そこは読むのに少し時間がかかったのだけど、田宮二郎と仕事をはじめてからはすらすらと読めた。しかし、時間のかかったあの部…

天河伝説殺人事件

金田一シリーズが好きな人なら割合楽しめるのではないかな・・市川崑監督が岸恵子にほれこんでいるのがよくわかる。23年前だかの回想シーンはちょっとしんどいが、岸恵子の旅館のたたずまい、美しい刷りガラスと岸恵子のシーン、また岸恵子と自然がうつっ…

おさいほうの超きほん

学校の家庭科の時間、不器用でどうも楽しめなかった自分でも家庭をもったらちょっとした繕いものなんかはせざるを得ない。そしてその度縫い目の美しくなさにうんざりしていた。春に本屋で一人暮らしをはじめる人のフェアをやっていて、この本を手に取ったら…

オテサーネク

池内紀氏の解説によると、チェコの人々が慣れ親しんできた「エルベンおじさんの昔ばなし」というのがあり、それを夫のヤンが映画*1に、妻のエヴァが絵本にしたという。映画の方が過剰で笑える要素があり、絵本の方が落ち着くところに落ち着いている印象があ…

どくとるマンボウ回想記

YouTubeに、このあいだからの北杜夫さんブームをわたしに巻き起こした「徹子の部屋」の動画があった。 斉藤輝子さんがおもしろくて。。このテレビをみたあとすぐにみた「母の影」*1とこの「どくとるマンボウ〜」は重なっている部分もあるのだけど、昔語りをきい…

Strawberry shortcakes

映画の後、カフェ・コチで。緑が多くて二階から京都の古い街並みがみえて、ゆっくりできてとてもいい喫茶店。「ストロベリー。。」は、映画の方が見せ場をつくったという感じだったが、コミックの方がナチュラルで好みだった。しかし、コミックにない、冒頭の…

ザ・マジックアワー

佐藤浩市が主人公を演じているからこそ楽しめるのだと思う。三谷作品をずっとみてきた人や映画好きさんにあてたようなメッセージも感じられ楽しい。梶原善や山本耕史、市川亀治郎、近藤芳正のちょこっと出演がうれしい。しかも、内輪ウケっぽくなくていい。…

初山滋-永遠のモダニスト

中野翠さんのコラム「甘茶日記」*1で初山さんの「たべるトンちゃん」の紹介がしてあり、そのモダンさに大変惹かれた。初山さんのことをもっと知りたいなと思っていたらうってつけの本が。「おとぎの世界」の作品のおとなっぽい雰囲気や、50年代から60年…

ぼくの伯父さんの授業、郵便配達の学校

wikipedeiaで、ジャック・タチのことを調べていたら(こちら)ミスター・ビーンのキャラクターに伯父さんの「ユロ氏」が影響を与えているとローワン・アトキンソンが語ったとあり、納得がいった。伯父さんをみていると、どっかミスター・ビーンを思い出して…

ウール100%

メインで出てきているのはいわゆるゴミ屋敷といわれるようなものを構築してしまっている老女の岸田今日子さんと吉行和子さん。しかし、リアルな映像ではなく、二人の心的世界ともいえる乙女な感じにまとまっていて大島弓子のコミックを読んでいるような気持…

おばあちゃん ひとり せんそうごっこ

「シリーズちいさなつぶやき」ということで一応こどもが老人問題や個の問題、戦争のことを自分の口調で話している形になっていて、いいにくいことをずばずばと描いている。図書館の書架も、子供向けではなく、芸術の棚のところにおいてあったけれど、確かに…

青色革命

大学を退いている学者とその家族の物語だけど、大学の先生周辺のもつ雰囲気がすごくリアルに出ている。役者が役に徹し切ってそれぞれを演じている感じがすがすがしい。三國連太郎さんがなよなよした下宿人で出てくるのだけど、三國さんって若い時結構この手…

伊丹十三

ちょっと前に日本映画チャンネルで「13の顔を持つ男」をみた。京都での少年時代も、京都に住むものとして興味があったが、伊丹伊丹十三のドキュメンタリー。京都での少年時代も、京都に住むものとして興味があったが、伊丹さんがテレビ関係でした仕事に力が…

伊丹十三

ちょっと前に日本映画チャンネルでこちらでキーワード登録もされている「13の顔を持つ男」をみた。京都での少年時代も、京都に住むものとして興味があったが、伊丹さんがテレビ関係でした仕事に力がいれられていて、どの番組も自分の今の常識を超えるものだ…

野荒れ

本当に凄いコラボレーション。脳梗塞で倒れてから5年後の野坂さんをアラーキーが撮って、野坂さんの言葉と黒田征太郎さんの絵が飾る。そのかっこよくも迫力のある作品に何度も胸がいっぱいになった。 野荒れ作者: 野坂昭如,荒木経惟,黒田征太郎出版社/メー…

京都の平熱

京都を一周ぐるっと回る循環系のバス206番の路線に従って京都の現在や過去に思いをはせる本。はじめ、べたべたしないタッチや京都の古い町角で育った雰囲気が入江敦彦さんの京都本にも似ているなと思ったのだけど、煮詰まってしまう社会の風穴としての異…