夜の騎士道

 

夜の騎士道 [DVD]

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ルネ・クレール初のカラー作品。 「シングルス」*1と続けてみたので、昔も今も人のこころは同じだな、追ったり追われたり、うまくいっているようでも猜疑心は大いなる敵だったりするものだなと人間関係の普遍的な真実を味わったり。。幕切れもハリウッド的でなく、新鮮な余韻。

シングルス

青息吐息のvhs専門レンタル店ふや町映画タウン。おすすめベスト1000を精力的に見ている。

この映画は単身者向けアパートの住人それぞれの恋愛をグランジミュージックに合わせて描いたものだけど、音楽と映画の空気がぴったり。キャメロン・クロウ監督は音楽ライターから監督になって自伝的映画「あの頃ペニー・レインと」なども作っていて、本当監督の良いところが発揮された映画と感じた。サウンドトラックは、

「グランジ」史上最高のアルバム50選 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

のベスト19位に入っている。

ミュージシャンを演じているマット・ディロンの虚勢が可愛くて魅力的。その彼と交際している役のブリッジット・フォンダ、2004年に亡くなった友人が彼女のことを好きだといっていたけど、確かに良い。恋愛の真理を突いているエピソードをとても親しみやすく演じている。。と、いうか、アパート住人のそれぞれのエピソードはどれも、あるある、という気持ちにさせられるし、恋愛だけでなく仕事も含めた挫折の表現に親近感を抱く愛すべき作品だった。

 

シングルス [DVD]

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 みたのはvhs版。

※アパートの部屋がその人を表しているのが楽しい。高速鉄道の夢を抱く青年の部屋の壁にはひかり号的な写真!なんだか嬉しい

画像

モンキー・ビジネス

 

モンキー・ビジネス [DVD]

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 みたのはvhs。

先日からtwittterででハワード・ホークスの話をきかせてもらっていて、動物を使ったものが多いなということからこの映画も。ちょうどマリリン・モンローの特集番組もみていたこともあり、そちらのきっかけもあり。モンローはまだ主役までいってなく、ポイント的な役。

ケイリー・グラントは私、キマった感じの時よりこの映画での度の強い眼鏡かけている時の感じみたいなのが好きなんだなと認識。みんな体張ってた。ジンジャー・ロジャースも40代だけどさすがすごい体動くなあと。そして、チンパンジーの名演技!チンバンジーの演技をみているとバヤリースオレンジのCMに出ていたなあと思い出すのだけど、やはりチンパンジーの出演はこの映画の作られたのと同じ頃(60年代前半)だったようだ。バヤリースのサイト*1をみていると、60年から66年までと書いてあるけれど、66年、私3つなのに、覚えているんだな・・

 

この作品もふや町映画タウンおすすめ (☆☆ けっこうおすすめ!!)作品。

アラスカ魂

 

 

twitterで先日観た「ハタリ!」の話をしていて、「かわいいジョン・ウェイン」つながりで話題に。アラスカで金を掘っている男たちの話だが、恋愛がらみで男の友情と不器用さが入り混じったシークエンスが登場。私は、友人ジョージを演じた スチュワート・グレンジャーのことを好きになった。ビデオジャケットには渋い二枚目の剣豪スターと書かれている。そうだったのかー。なるほど。私、邦画でも剣豪スターすきだものな、からっとしていて。調べたらこちらもふや町おすすめで観た「灰色の男」*1でも重要な役をされてる人だった。

こちらもふや町映画タウンでレンタルしたのでVHSにて鑑賞。

ふや町映画タウンおすすめ ☆☆☆(かなり、おすすめ!!)作品。

私の記録映画人生

 

私の記録映画人生 (岩波現代文庫)

私の記録映画人生 (岩波現代文庫)

 

 羽田澄子さんの自伝。自由学園を出られた後、岩波に入られ、羽仁進氏の助手になり岩波写真文庫からスタートされたこと。助監督から初めての監督作品「村の婦人学級」(1957)*1。こちらはホットでわかりやすい良い作品と記憶しているが、長回しで、撮られている人の自然な感情が沸き起こるところをカメラにおさめたいと思っているのに、カメラマンとの間に相互理解が得られなかったそうだった。(→そのあとの氷解もあとがき的に紹介されていた。)村の人たちのその後、あの集まりをきっかけに長く交流が続いているらしいことが書かれていたのもうれしく拝見した。

「住民が選択した町の福祉」(1997)*2も大層感銘を受けた作品だったが、その後のこの町のことも書かれていて羽田さん同様複雑な気分になった。

羽田さんの仕事の大きな軸として老いの問題、理想的な老い方とは、というのがある。わたしも大変興味のあるテーマである。

また先代の片岡仁左衛門さんに密着されたお仕事、この本の中でもしっかりと書かれていた「薄墨の桜」にも大変興味がある。チャンスが少ないけれどみてみたい。

 

イッセー尾形の一人芝居 妄ソー劇場 その3

10月26日 京都府立文化芸術会館にて 午後3時~

 

ルーブル美術館(チラシには紹介なし)

地下駐車場

605

謝罪記者会見

雪子の冒険 満州編 の5本。

 

イッセーさんのHPのトップページに「ゴッホと隣人」という人形劇が載っているが、ゴッホの絵に出てくる郵便屋さんが登場。その方言めいた言葉がなかなかいい。「ルーブル美術館」でも加賀からルーブルに来た老婦人が語るという体裁になっていたが、その中でうるさい隣人としての関西人の感じがとても自然で大変良かった。客席も大ウケ。とても耳の良い人なのだろうな。感じがよく出ている。

「地下駐車場」は駐車場の誘導員の話。イラっとさせる店員の感じ、うまい。イラっとさせて終わりでなく、こういわれちゃしょうがないよな、っていうような笑いがはさまれていて楽しめた。

「605」は部屋の号室かな?韓国映画で隣同士の部屋番号をタイトルにしたものがあったけれど、あまり親しくないけれどすぐそばで、距離を縮めようと思えば縮められるような、でも距離のはかりかたに隣同士で誤差があったりすると厄介だったりする関係性。

「謝罪記者会見」はサルトルの「嘔吐」からなんておっしゃってたけれど、諷刺性を感じた。とりあえずあやまっときゃいい、というような風景。

「雪子の冒険 満州編」は、去年もされていた「立体紙芝居」。お面をつけて紙芝居形式で演じられる。「浅草紅團」から。イッセーさんのページのトップページに、紙芝居をされているところがUPされているが、この感じと演じ方は少し似ている・・が、HPに載っているyou tubueのほうは観客が子どもで、わたしたちがみた京都の舞台よりはるかに大変そう。登場人物が多く演じ分けを楽しめる。

 

舞台が終わった後、サイン会。こういう時、気の利いたことがいえなくいつももどかしいのだが、とても力強く握手していただいた。

おはよう北京

 

おはよう北京 [VHS]

おはよう北京 [VHS]

 

 松竹から90年代前半に中国の秀作映画がVHSとして出ていて、「青い凧」*1や、「北京好日」*2など、中国の暮らしを身近に感じさせる作品群にそれを通して触れてきた。で、前述の二作品もだけど、そのあとDVDになっていない映画も多く、こちらもそういう中の一本。こちらも未DVDとして探ったわけではなく、またまたふや町映画タウンの監督別一覧を眺めていて(今回はタ行)、普段から割合中国映画の身近さが好きなもので、「チャン・ヌアンシン」という中国名の監督の名前が気になって、みてみることにしたのだった。

国営交通局に勤め、バスで仕事をしている上昇志向の強いアイホンという女性と彼女の周辺の男性や外資に勤める友人を通して、その当時の北京の様子がはっきりと伝わる。主人公のアイホンの素朴そうでギラギラしているところは、経済大国にのし上がっていく中国そのものという感じもしたが、一方でそうはなりきれない男性たちの姿、これも中国のリアルな姿のように思う。