ごろつき犬

1965年作品。
天知茂さんの追悼だったかで天知さんの思い出としてこの犬シリーズの「ショボクレ刑事」を挙げる人がいたが、ほんと素晴らしい!今でたとえたら松田龍平のような、クールな美男がオーラを消してしょぼくれている感じが最高!彼なくしてこの作品のコクは出ない。時代が転倒した言い方を続ければ、ルパン三世に出てくる銭形警部*1のようななりをしているけれど、うまく田宮二郎演じる、銃の手さばきに自信のある、軽くて陽性の男鴨井を転がして、自分は影の立役者みたいな渋い役回り。表面上鴨井にしてやられても、なにか鴨井を信頼したような笑顔がとても魅力的。
twitterで感想を書いたら、田宮、天知の掛け合いを生かした藤本義一の脚本のすばらしさもコメントしてもらったが、たとえば大阪の町の人がぽそっというセリフとかもありそうでツボで笑わされた。
江波杏子はクールでモダン。水谷良重はちょっと重たみもある女、少々のどろくさいエッセンスに逆に惹かれる部分あり。坂本スミ子はコミカルリリーフ。←良い味。
ダイマルラケットのお二人の登場も嬉しい。昭和40年代くらい平日お昼に朝日放送で流れていたラジオ番組楽しんでいたなあ。(調べたら「ダイマル・ラケットのみんなの歌謡曲」らしい。wikipediaをみていると、ミヤコ蝶々の話で出てくる南都雄二氏も出ていたんだなあ。)
宮口精二さんも掘れば痛いところのある大企業の社長役で登場。贅沢な気がした。

ごろつき犬 [VHS]

ごろつき犬 [VHS]

*1:銭形警部もwikipedekiaでみていると、原作ではアニメみたいにコケにされるばかりの感じでなくこの作品のショボクレっぽい感じであったようだ。