ありふれた奇跡

2009年1月からフジテレビで放映されていた連続ドラマ。山田太一脚本。当時はみていなかったのだけど、日本映画専門チャンネルで放映され、よい評判もきいたのでみてみる。
ある事故から人生に絶望して自殺しかけている陣内孝則扮する男をたまたま居合わせて助ける仲間由紀恵加瀬亮。二人ともつらい経験をしていたから陣内の苦しみに気が付き咄嗟の行動に出ることができたのだ・・そして、という物語。
惹かれ合う二人なんだけど、二人を過去に追い込んだそれぞれの問題が大きな障壁となってドラマが進むが、それぞれの家族も巻き込んでの、誰も悪者がいなくてそれぞれの言い分がみていてちゃんとわかって・・という展開が素晴らしい。シビアなところはシビアに描いて、これからどうなるとどんどん話にひきつける力。加瀬亮にかけられる言葉とか、こっちまでつらい気分になったりするのだけど、エンヤの主題歌が魂に染みわたる。
父親役の岸部一徳風間杜夫が実は・・なんていう展開もあるけれど、このびっくりさせる要素をいれる感じ山田さんらしくもあるなあと思う。終盤の流れもそうだったなあ・・そして、風間杜夫の持つどこかコミカルな雰囲気本当にどのドラマでもいいなあ・・
ちょうど二人の親の世代の設定が五十代で、自分自身が置かれている状況も照らし合わせてみたりして親近感をおぼえたり指標を得たり・・さすが山田さん、ほれたはれたじゃない、良いドラマだった。

はてな日記で、このドラマについて書いておられる河田拓也さんという方の記事、頷くところも気づかされることも多かった。相対化という言葉が出てくるけれど、まさにわたしも自分の状況をこのドラマをみて相対化でき、そこに感謝していた。

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