サリヴァンの旅

1941年プレストン・スタージェス監督作品。一筋縄ではいかない凝ったストーリー展開。
苦労知らずで、コメディの売れっ子脚本家サリヴァンが、社会意識に目覚め、民衆の中に飛び込んで苦労をし社会派の作品をとりたいとのぞむところから話がはじまるが、しょっぱなからぽんぽん繰り出される会話の応酬。ビデオにはさまれた日野康一氏の説明によると、マシンガントークはスタージェス監督のトレードマークらしい。

こういう時代の映画で飄々と巻き込まれている人たちの描写が好きなのだけど、この映画でもサリヴァンの執事たちがいい味。ビデオ添付の説明書によると執事長がロバート・グレッグとのこと。

ヒロイン ヴェロニカ・レイクがとても魅力的。日野氏の解説によれば

素晴らしい金髪とボーイッシュな風貌のヴェロニカ・レイクはこの映画で"乾いたユーモアをもつヴァンプ"と称えられ、出世作となった。つづいてスタージェスがプロデュースしたフランスの巨匠ルネ・クレール監督「奥様は魔女」㊷の魔女役で一段と輝いた。

映画の「奥様は魔女」はテレビシリーズのもとになったものらしいが、奥役似合いそう。

wikipediaによると「L.A.コンフィデンシャル」でキム・ベイシンガーの演じた美女はヴェロニカ・レイクを意識したものらしい。


シネマ・トゥディの説明にはうなずくことばかり。ああなるほど、コーエン兄弟の「オー・ブラザー!」、この映画とストーリー的にもつながっているなあ。ヴェロニカ・レイクが着ていたのはイーディス・ヘッドの衣装だったのか・・

日野氏の説明の方も、

冒頭、封をした紙をあけると、タイトルが出るようになっている凝ったスタートについて

封筒のシールがパラマウントのマーク、題字は長編アニメ「ガリバー旅行記」㊴と同じ書体。「ポパイ」の作者であもあるフライシャー兄弟パラマウントのドル箱だった。

と、トリビア的な説明もおもしろい。