女優

松井須磨子山田五十鈴が演じたもの。衣笠貞之助監督。ビデオに同梱された「山根貞男のお楽しみゼミナール」の文章によると、溝口監督の「女優須磨子の恋」も同じ1947年の少し前に公開されていて競作として話題になったらしい。

山田五十鈴演じる松井須磨子はえらく激しく、劇団の内外に波風が立ったであろうことだけは感じ取れた。

山根さんの解説によると、山田五十鈴はこの当時“恋多き女”として有名だったそう。

戦前から戦中にかけて、俳優の月田一郎、プロデューサーの滝村和男と結婚・離婚をくりかえし、新派の花柳章太郎と恋に陥り、さらに戦後は衣笠貞之助監督と結ばれた。(中略)(この映画の)三年後にその恋も終わり、妻子のあった加藤嘉と結婚したあと、これまた離婚して、さらに“恋多き女”として生きてゆく。

とのこと。加藤嘉とのことくらいしか知らなかった。

島村抱月役の土方与志という方が品も良くインテリっぽい雰囲気でとてもよかったが、礫川全次さんという方のブログにその出演の裏話が載っていた。

all cinemaのレビュー欄にも載っていたが、有島武郎「死と其の前後」舞台上演シーンも印象に残る。