ふと頭に浮かんだのはダニエル・シュミットの「ラ・パロマ」。耽美な世界にいききってしまうある種の幸せ。
若山富三郎、殺陣のときなど、勝新太郎と似ているなあと思いもしたが、よりプリミティブな感じがし、この作品にあっているように思う。
四天王寺や吉野でロケしたというこの作品、太古の四天王寺のわやわやした空気(常田不二夫氏など罪を放免された連中が活躍)をほこりっぽく描いているところがよい。
ストーリーも展開がおもしろく終始ひきつけられる。特に物語後半リズムがかわるところからの圧巻。
同じことの繰り返しであるという虚無への台詞なども心に残った。