京洛の舞

 

京洛の舞 [VHS]

京洛の舞 [VHS]

 

ドラマ「天皇の世紀」で米倉斉加年氏演じる不気味な存在感の持ち主、人斬り新兵衞こと田中新兵衞が主人公。なんだかかっこいい人みたいな描かれ方だった。どうもその最期に謎があるようでそれゆえのこの物語なんだろうと思われる。そして、五社監督の「人斬り」で三島由紀夫が演じていたのが田中新兵衞のようで、なかなか迫力があるようにきいていた。いまやっといろいろと頭のなかでつながった。

京都が舞台の作品。花街の女性に扮した高峰三枝子さんの西のことばは自然に聞こえた。西日本出身かと思ったが東京出身のよう。

渡月橋の撮影は現地のようにみえたけどどうだろうか。

高峰さんの思い人、出雲路というひとが潜伏する場所として大原のかまぶろという言葉がきこえた。いまも八瀬にあるかまぶろ、大原路にあって大原まであと少しだからあちらのことなのかなあ。。大原女家というお店のかまぶろというお菓子もあったけど、どうも閉店して販売終了になったらしい。

幽霊と未亡人

 

幽霊と未亡人 [VHS]

幽霊と未亡人 [VHS]

 

 

気高さと愉快さが共存。やりすぎないところが心憎く。。よい映画に出会えたなあという喜び。そして、自分はどういう終わりかたをしたいかな、なんてところまで考えてしまう。ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督、「三人の妻への手紙」「イヴの総て」「探偵~スルース」いづれも楽しめたので、他の作品もみてみたいな。

人間座第64回公演 季節はずれの長屋の花見

http://ningenza.com/

京都左京区の住宅街にあるアトリエで年末に行われる人間座の公演、今日でみるの二、三回目だと思うけど、毎年タッチが違っていて、今年は軽妙でまさに落語から出てきた感じの話だった、

毛利菊枝さんが主宰されていた劇団くるみ座出身の多賀勝一さん、くるみ座時代から注目していたけど、今回も光っていた。落語風の語り口、多賀さんの朗読劇なども楽しいのではないだろうか。

高原へいらっしゃい

 

www.nihon-eiga.com

 

70年代に山田太一の脚本、田宮次郎主演で放映されたドラマ。いま、日本映画専門チャンネルで再放送され楽しみにみている。現在9話まで見終わったところ。高原の古いホテルで再起をかける田宮次郎と、彼が選んできたメンバーとの奮起の物語。なんといっても益田喜頓がシェフをつとめているのが嬉しい。飄々とした佇まい。そして田宮さんの、一度失敗したから後にはひけないという愁いを含みながらも前向きに、ホテルは未経験なメンバーたちの中で、お手本として一流のホテルマンとしての立ち居振舞いをみせる、でも数々のトラブルが発生する、そのドラマが楽しい。主題歌の作詞は谷川俊太郎。70年代の旅のブームも思い出す、心に触れるフォーク。

このドラマは2003年にも佐藤浩市主演でリメイクされていて、それも先日一挙再放送があり、こちらは最後までみた。山田太一原作、で、別の脚本家の名前が毎回変化して出てきていた。(回して担当しておられた模様。)21世紀にあわせてあって、その変化もおもしろい。田宮版では、お目付け役としてやってくる副支配人が前田吟だが、新しい方では西村雅彦。西村雅彦って都会的なんだなあと感じる。でも、佐藤浩市の理想主義に、異を唱える孤独な姿に共感を覚えるし、一番気になる登場人物となった。旧版は途中までしかみてないので、この後の展開はわからないが、9回までみたところ、新しい版の大きな変化はホテルの買収問題ということがテーマになっていること。

www.tbs.co.jp

同じことを扱うにしてもちょっとずつ変化を加えてあり見比べるとなかなかおもしろい。新版で八千草薫が演じていたシェフの昔の知り合いを旧版では津島恵子さん。その時代その時代の品と風格のある女優さんがあの役をされている感じだなあ。

 

 

切られの与三

WOWOWオンライン

コクーン歌舞伎wowowで放映していたもの。

今回は七之助女形でなく与三郎。ほんとに美しい姿と良い声。今回は兄、勘九郎大河ドラマの準備で出られないということで大層がんばっている。でも、わたしは七之助女形が大好きで、やはり女形がみたい。先日、中村屋のドキュメンタリーで見た揚巻。玉三郎さんから借りた衣裳をまとう七之助。もうこういうのがものすごく見たい。

さて、この舞台では中村梅枝という方がお富さん。これがとてもよかった。お富さんって、いってることがまちまちで、まあいけしゃあしゃあとって部分があるんだけど、梅枝さんか演じてるとごく自然にこういうひといるかもなとみられる。梅枝さんは時蔵さんの息子さんとか?時蔵さんの仇っぽい感じが好きで、最近この系列の方々に関心がある。

通し上演をめったにしないというこの演目、ラストはこの舞台ならではの解釈がはいっているようだ。歌舞伎の予定調和を否定して明日に向かう感じでその気概は買う。でも、新しい解釈過ぎてそこは重々しくいったほうがいいのでは?ということろが軽いタッチになっていたりしていたかな・・

笹野高史は今回もうまい。芝居にぐんと引き寄せられる。時代衣装でトランペットまで吹く器用さ。

桜の森の満開の下

 

桜の森の満開の下 [VHS]

桜の森の満開の下 [VHS]

 

ふと頭に浮かんだのはダニエル・シュミットの「ラ・パロマ」。耽美な世界にいききってしまうある種の幸せ。

若山富三郎、殺陣のときなど、勝新太郎と似ているなあと思いもしたが、よりプリミティブな感じがし、この作品にあっているように思う。

四天王寺や吉野でロケしたというこの作品、太古の四天王寺のわやわやした空気(常田不二夫氏など罪を放免された連中が活躍)をほこりっぽく描いているところがよい。

ストーリーも展開がおもしろく終始ひきつけられる。特に物語後半リズムがかわるところからの圧巻。

同じことの繰り返しであるという虚無への台詞なども心に残った。

藪の中の黒猫

 

藪の中の黒猫 [VHS]

藪の中の黒猫 [VHS]

 

源頼光の鬼退治の話を製作された1968年という空気をたくさん含んで描いているもの。(話としては、化け物の腕を切り取るという話があるので渡辺綱の逸話としてきいているものがメイン。)1960年公開の「大江山酒呑童子*1も、時代の空気がにじませてあり、鬼退治よかったよかっただけではないものを感じたが、この話はもっと哀切に、幽玄に鬼(化け物)の腕を切り落とす話が出てくるし、権力への抵抗みたいなものも感じられる。

乙羽信子さんがしずしずと舞を舞うシーンの深みがあって美しいこと。太地喜和子氏の、猫のように誘う目、甘える表情、哀し気な顔のなんと豊かなこと。映像もとても深みがある。